2005年1月の日記

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2005年1月8日 土曜日

 皆さま、あけましておめでとうございます。って、もうお正月も終わりなのにね。なんでこんなに日記の間があいたかというと、正月気分でだらけていたから、と言いたいところだが、実際休めたのは1日と2日だけ! お店のお客さんは大晦日だろうと元日だろうと関係なくいらっしゃるので。むしろ年末年始はどこのショップもバーゲンをやるので、東京中駆け回っていた。そのわりに収穫少ないんだけどねえ。

 とりあえず、今年は「自分へのクリスマスプレゼント」を買うのを忘れていたので、そのつもりで大物を買ってしまった。映画『エイリアン』の9枚組ボックスセット! これは絶対買うつもりでいたのにすっかり忘れていて、ヤフオクではすでにプレミアついてる。でも何がなんでも見たくなったので、1万8千円投じて買ってしまった。(定価は1万5千円)
 当然ながらレーザーディスクのボックスセットは持っているのだが、これには4が入ってないし、劇場公開版だし、DVDにはLDにない特典映像がいっぱい入ってるし。で、正月はこれを見狂っていた。なんで『エイリアン』かというのは長い話になるし、このリビューはぜひ書きたいのでまた場所をあらためて書きます。

 で、唐突に話は変わって、私の年末の風物詩というか、私が年の瀬だなあと感じるのは、NMEのクリスマス号を見るときである。クリスマスは1週休みなので、厚さも普段の倍あって、その年の総括が載っているので資料にもなる。そこで昨年も買いに行ったのだが、がっかりしたことにクリスマスなのに普通のフォーマットのまま。またひとつ伝統が消えた。私はあの、サンタやら天使やらがあふれる脳天気な感じがいかにもクリスマスで好きだったのに!
 そのかわり、別冊でイヤーブックというのが出ている。これが総括の代わりらしい。もしこれが毎年出るなら、それはそれで貴重な資料なので、高いけど買って帰った。ふーむ、さすがUK復活の年だからか、これまではアメリカ一色だったのが、ほとんどすべて英国バンドになってる。自分の知ってるバンドがあるだけでもうれしい。それでも半分は聴いたこともないのだけど。
 と書いて、なんかがっくりした。これでもねえ、昔の私は英国バンドなら新旧とりまぜ知らないことはない生き字引と言われるぐらい詳しかったんですよ。顔見ればすぐにどのバンドの誰とフルネームで名前言えたし、全アルバムのタイトルと発売年もそらですらすら言えた。それぐらいどのバンドもぜーんぶ好きだったということ。
 逆に言えば、今の私がどれだけ音楽離れしているかわかる。実際、2004年デビューの新人でちゃんとCD買ったのは、Kasabian、Franz Ferdinand、Hope Of The States、Keaneとこれしかいない。他に最近のバンドで許せると思えるのはThe MusicとStarsailorとLibertinesぐらいだ。しかも年を取れば取るほど好みがやかましくなってきて、そう簡単に好きになれないんですよね。やっぱり好きこそもののなんとやらで、それで商売している以上、これは痛い。実際、上記のうち、本当に手放しで好きと言えるのはThe Musicぐらいだし。それでもこれだけ新人が出てきている以上、きっと他にもいいのがあるはずと信じて、こうして情報収集だけは怠らないんだけど。

 NMEといえば、Kasabianが表紙のNMEはぜひともゲットしなくてはと思っていたのだが、(Kasabianはもうひとつの事件だし、その記録のため)、例によって買い逃したのを運良く今年になって見つけた。それを今読んでたんだけど、向こうじゃ完全にStone RosesやHappy MondaysやOasisの系統のマンチェスター・バンドの一種とみなされてるのね(本当はレスター出身)。どこがかというと、口が悪くて下品で態度でかくて、ひどいなまりで話すフーリガンってとこ(笑)。
 違うと思うんですけどー。だいたいフロントマンのSergio(英語ふうになまってSergeと呼ばれている)はイタリア人だし(育ちはイギリスらしい)、ハンサムだし(笑)。(上記Mancunianはすべて、あー、おもしろい顔だった) 音楽も明らかにダンス・ミュージック寄りだし、政治的だし。
 でも発言を読むとやっぱり愛さずにはいられないね。“Fuck the Americans. I'm sick of your fucking three-minute scuzzy garage rock shit. Stick it up your arse, mate.”(Tomのセリフ。下品すぎて訳せません)なんて言う人は愛さないわけいかないじゃない(笑)。Sergeハンサムだし。〈くどい!〉 えー、だって本当にヒナマレなんだもん。もっとも英国系以外は一切だめな私としては、こういう絵に描いたようなハンサムはあまり関心なくて、ボーカルのTomみたいなチンクシャ顔のほうが好きなんだけど(笑)。
 しかし、影響を受けたアーティストとして、DJ ShadowやBlackalicious(どっちもMowax関連)の名前があがっているのは驚いた。MowaxファンがKasabianを買っていくと言って驚いていたが、べつに驚くことじゃなかったか。そういや、アルバムのプロデューサーもなんかMowax関係の人らしい。ふーん?
 ところでKasabianとMansunは関係あるの知ってました? 名前よ、名前。KasabianというのはMansonファミリーの運転手をしていた女の子の名字なのだ。まったくこういうろくでもないことで関係してほしくないのだが、NMEの記事はちゃんとそれに触れて、Mansunの名前を出してくれたのでうれしかった。

 このNMEにはCool Listと言って、めぼしい新人ばかりを集めたCDがついていた。どれもすべて聴いたことのない人たち。聴いて思ったのだが、ほとんどすべてが(私は最近の用語にうといのでなんと言っていいのかわからないが)パンク系ってこと。ふーん? やっぱり「私のジャンル」からはほど遠いなあ。(私はグリグリの元パンク少女だが、私にとってのパンクはClashの解散で終わっている)
 その中でまあましと思ったのがNine Black Alpsという変な名前のバンドだが、私これ、お客さんに頼まれてeBayで買ったが、えらい値段してたんだわ。うーん、やっぱりちょっと時代とのズレを感じる。

【用語解説】 時代とのズレと言えば、最近学生に英語ばかりか日本語も通じなくなった。けっこう無意識に死語を使っちゃってるみたい。念のため解説しておくと、「ヒナマレ」というのは、「鄙(田舎のこと)には稀な」という意味で、田舎じゃ美人でも都会へ行くとその程度はゴロゴロいるという意味。つまりイギリス人には美形が少ないけど、イタリアは美形の宝庫ということ。「チンクシャ」というのは「もともとクシャクシャの顔をした(犬の)狆がクシャミをしたような顔」という意味です。

2005年1月12日 水曜日

The Music Concert Review
(12 January, 2005, Zepp Tokyo)

あるいは「ロックに定年はあるか?」

 とうとうついに、今日は待ちに待ったThe Musicのコンサート! こないだのKasabian同様、前回の単独公演はチケット取り損ねて見れなかったので、私はこれが初めてになる。だいたい、もう最近は寄る年波と貧乏のせいで、コンサートは本当に好きで好きで何を置いても見たい!と狂っているバンドしか行かない(し、行けない)私としても、The Musicは特別扱いの花丸付き。おまけにこの手のダンスロックはライブだと百万倍盛り上がることはわかってるし、演奏能力の高さも保証付き! さらに力で押しまくるだけだったファーストから、セカンドでは大きく成長したし、曲のバラエティも広がったし、もう見ないでも最高なことがわかる。これが興奮せずにいられるか!

 と、盛り上がっているようだが、実は私は体調も気分も最悪。なにしろ今週は火曜日が早稲田の試験、木曜日が日大の試験で、間にはさまれた水曜日だからねー。なにも1年のうちでいちばん忙しいこの時期に来なくっても。
 さらにこれはもう何年も前からだが、(たぶん更年期のせいだと思うのだが)私はひどい無気力病にかかっていて、とにかく何もやる気が起きず、体がだるくてしょうがない。それでも食べて行かなきゃならないから仕事だけはやってるけど、それ以外はほとんどすべて放棄しているようなもの。どれぐらい無気力かというと、映画を見たくても、映画館に行くことはおろか、歩いて5分の距離のツタヤでビデオを借りてくることすらめんどくさくて、会員証は2年前に期限が切れたまま。若い頃は2日に1本は映画見てたのに‥‥
 さらにだめ押しのように、週のアタマに風邪をひく。ああー、何もこの時期に病気にならなくてもいいのに!

 という悪条件でも、コンサートだけは喜々として出かけていくから、それだけ音楽を愛してるってことだよなー。というか、私から音楽を取ったら、どっからどう見ても廃人という気も‥‥。
 ただね、いったいいくつまでコンサート通いを続けられるかというのはよく考えました。20代の頃は。40過ぎたら、すべてどうでもええって感じで気にならなくなったけど(笑)。だってロックコンサートって体力勝負だし、体力なんか若い頃からもともとないし。それに若い頃は、若者の中におばさんがひとり混じってるのなんてグロテスクだと思っていた。今はわかんない。まわりにそんな人いないし(少なくともThe Musicでは)、自分の姿は自分では見えないから(笑)。
 ただ、肉体はさすがに寄る年波には勝てなくて、足が痛いのがどうにもなあ。ずっと前に足の裏が痛いって書いたでしょ? あれがまだ治らなくて、ただ、足裏から痛みがだんだん上がってきて今は太腿に来た。あいかわらず原因不明。でも正月に実家に帰ったら親父も足が痛いと言っていて、朝がいちばん痛いというのも同じだし、医者へ行っても原因不明というのも同じ。もしかして遺伝か? 親父はもう70なんだけど、それといっしょというのがまた情けない。
 でも楽観してました。無気力なんか、最初のギターリフを聴けば吹っ飛ぶはずだし、足の痛いのや風邪は踊って汗かけば治るはずだから。だいたい体調が悪いのは運動不足と太りすぎと冷えのせい。そんなのは1時間も踊れば治る。あったまるし、カロリー使って少しは痩せるし、モッシュでもんでもらえれば気持ちよさそうだし、って、なんか年寄りが湯治に行くみたいな感じでコンサート行っていいのか(笑)。

 でも心配は、こういうアタマもうろう、心パニックのときは、必ずなんかドジを踏むこと。そしてご期待に違わずまたもずっこけました。これまでの教訓を踏まえて(この日記の前のほうやMansun日記を読むとわかる)、ちゃんとチケット持ったか確かめたし、開演時間も確認したし、どこで何を買って、どのコインロッカーに荷物を入れるかまでちゃんと段取り考えたのに、またやったー!
 なぜか朦朧とした私のアタマの中では、ZeppとAXがごっちゃになってたのね。それで、なんとなくZeppは渋谷にあるように思い込んでいたのだ。でも、駅に向かう途中、「やっぱりなんか変」という疑念が浮かんできたので、ちゃんと場所確認してから行こうと思ったが、インターネットがないとチェックができない。雑誌というものもあるのは知ってるが、雑誌なんてもう長年買ってないので、どこに何があるかもわからない。そこで恥ずかしながら、ぴあスポットへ行って、「あのー、Zepp Tokyoってどこでしたっけ?」と訊ねるはめに。うー、でも渋谷に時間ギリギリに駆け込んで、ここはAXだったと気付くよりは、私としてはだいぶましなほう。
 あー、でもめんどくさいなー。お台場って、うちからは海を渡っていけばすぐ近くなのに、電車だとえらい遠回りをして何度も乗り換えないとならないのだ。それで例によって迷いながら(どこをどう迷ったかは訊かないでください。恥ずかしいから)、お台場到着が開場時間を30分過ぎた6時半ごろ。4時に家出てるのにどうしてこうなるの!

 わりといい整理番号だったのに、私の順番はとっくに過ぎている。もうこうなったらどうでもいいやって感じで、だらだらと荷物をロッカーに入れ、だらだらとマーチャンダイズを見学する。
 売ってるのは例によってTシャツとCDだけ。つまんない。あのロゴ入りの毛糸のボーシでも売ってくれるとうれしいのに。
 Tシャツは実は事前にヤフオクで入手していた(もったいないからもちろん着ないけど)。Peter Savilleのロゴに、アルバム・タイトル“Welcome To The North”をもじって、“Welcome To The Far East”と書かれたかっちょいいTシャツ。明らかに日本ツアー用に作られたものだと思っていたが、見たらこれは売ってなくて、売ってるのはもっとかっこわるいやつだけ。えー、するとあれはなんだったんだろう? とにかく儲け。この新品Tシャツが1500円だったから。しかし、Kasabianのシャツなんか6000円以上で売ってるのに、The Musicは1500円で誰も入札しないってことはやっぱり人気ないのかしら?
 CD買うとポスターがもらえるが、このポスターもすでにヤフオクで入手済み。何も買うものがないや。

 しょうがないので会場に入る。もともと今日は前に行こうなんて気はなかった。体調悪いし、別に間近で見て感動するような人たちじゃないし、私は体でかいのでどこにいたってよく見えるし。(これだけは若いもんには負けない。っていうか、最近の若い日本人って身長縮んで座高が伸びてるんだって? それは大学で新入生見てても感じるが。以前はけっこう私とタメののっぽの女の子もいたのに、最近はひとりもいない) だからゆっくり入ったつもりが、すいてるじゃん!
 じゅうぶん一番前の区画に入れるばかりか、PAの前だけど最前列の手すりに取り付けた。ちょっと! こんなのあり? 本当に人気ないのかなーと心配になる。そもそもインディー人気が凋落しているのは、自分がCD売っててわかってるけど、やっぱり悲しい。「ドアから入るのも一苦労」なんていうコンサートはもうないのかも。それでも終わってみたら通路はぎゅう詰めで身動きもできなかったから、キャパが大きいということかな? それにしても、こんなにゆっくり入って簡単に最前列とれるなんて前代未聞。

 で、現金なもので、こうなるといきなりやる気まんまん。もうなんでも来いって感じで、どっかが痛いとかそんなのはすっかり忘れて開始を待ったのだが‥‥

 最初は興奮していて気付かなかったのだが、おかしいと思い始めたのは3曲目ぐらいから。なんか音響最悪じゃない? 確かにPAの真ん前というのは場所も良くないが、それにしてもこの音の悪さはなんなんだ? とにかく中低音がまったく聞こえないというか、ギャーンというホワイトノイズにほとんど可聴域を超えた突き刺さるような高音(ほとんどRobの声のいちばん高い倍音)だけが聞こえているような状態。その高音もキキキキと、なんか途切れ途切れに聞こえる。ギターとベースはノイズに埋もれてほとんど何も聞こえないし、ドラムはなぜかスネアだけが聞こえる。
 こうなるとメロディなんか何もわからないし、なんの曲をやっているのかもほとんどわからない。超前衛のノイズバンド(猫が絞め殺される時の悲鳴入り)でも聴いてるようだ。でなかったら壊れたスピーカーを最大ボリュームで鳴らしているようだ。最初はてっきりRobの声でスピーカーが吹っ飛んだんだと思った(笑)。
 しかしこれはあまりにひどい。そこで必死で原因を考えた。PAの前でコンサート聴いたことなんか何度もあるし、Mansunの初回なんかPAスピーカーに頭押しつけられる形で聴いたけど、うるさいのは事実だが、曲が聞き取れないなんてことは一度もなかった。会場のせいだろうか? それにしてもここまでひどければ、ミキシング・エンジニアがなんとかしそうなものだ。
 理由は不明だが、とにかくこれにはがっくり。せっかくせっかくあんなに期待していたThe Musicでこれはないよー! だいたい音の悪いコンサートでもこれほどひどかったのは一度も経験がない。そう思うと、せっかく盛り上がった気分もたちまちしぼんでしまった。それでも楽しまないのはくやしいので、踊るだけは踊ってたけど。
 でもリズムも聴き取れない状態で踊るのはむずかしいんすよ。それじゃどうするかというと、もう耳じゃなく肌で聴く。ちょうど耳の不自由な人が音楽聴いてるような感じで、音は聞こえないんだけど、バスドラなんかは音圧でわかる。それに合わせて踊るわけ。でもこれでは期待していたような汗ぐっしょりからはほど遠く、歯がゆさとくやしさばかりがつのった。
 ほんとくやしかったよー! “Welcome To The North”には「これをライブでやったらどんなにか!」と思う曲も多かったのに、ほとんど曲の区別もつかないんだもん。

 で、その原因はコンサートが終了してわかった。おしゃべりしている人たちの声がみんなミッキーマウスみたいなキンキン声で、しかも変に途切れるのだ! おかしいのはPAでもミキシングでもなく、私の耳だったのだ!
 つまり、音のでかさに一時的難聴になっていたわけ。これにはほーんとがっくりしました。もうこの年でコンサートは無理かしらんと思ったのもこれが初めて。

 というのも、私はなにしろローティーンの頃から鍛えてるんで、音のでかさには耐性があるとばかり思ってたから。コンサートなんか音はでかけりゃでかいほどいいと思ってるし、Mary Chain命!だったぐらいだから、轟音ノイズそのものが好き。その私が音のでかさに負けるなんて‥‥
 いや、逆にそんなだったから、むしろ若くして難聴になるということは予期してたんだけどね。これはライブのせいだけではない。十代のころつき合ってた男の子がバンドやってて、しょっちゅう練習につき合わされたから。アマチュアバンドにありがちな「うるさいだけが取り柄」みたいなバンドで(笑)、それを狭いスタジオで何時間も聴かされて、「まだ成長期なのに、こんなに耳を酷使したら絶対難聴になる」と思ってた。
 でもほんとの難聴でもないのに、コンサートでこんなになるなんてショック! これじゃもうロックなんて聴けない! よく同世代の人が「ロックは音が大きすぎて何やってるんだかわからない」と言うけど、それってこんな感じなのかも。だいたい私は音楽が命なのに、耳が聞こえなくなったらどうしたらいいの!
 でもやっぱり変。そもそも聴いてるときはぜんぜんうるさいなんて思わなかったし、他のコンサートとくらべて音大きいとも思わなかったし。やっぱり体調悪かったせいだろうか? これはやはりRobの怪鳥音のせいで鼓膜がどうかなったんだと思う(笑)。

 というわけで、コンサート・リビューを書きたくても、聞こえなかったので書くことが何もないのだ。ぐすん。しょうがないからどうでもいいことを書く。
 Robは生で見るとそんなに鼻でかくない(笑)。むしろ顔も体も繊細そのものの作りで、細くてちっちゃくて、「この体のどこからあんな音(もはや声というのを凌駕している)が出るんだろう?」と不思議に思うばかり。すごい声だよなー、ほんと。あの声ばかりはたとえ耳が聞こえなくても脳天に直接突き刺さる。私が難聴になるより、この人が喉こわすほうが先なんじゃないかと心配になる。1曲歌い終えるごとに、ただでさえコケてる頬がいっそうコケるようで、見ていて痛々しかった。それで表情も一瞬すごい苦しそうになるのだが、観客に目をやるとにっこりしてまた元気に踊り出す。
 あの「タコ踊り」はずっと踊りながら歌うのかと思ったが、さすがにそれは無理みたいで、曲間に観客をあおるためにちょこっと踊って見せるだけ。でも楽しい。最近じゃ踊れるミュージシャン自体が少ないのに、見てて楽しい踊りが踊れるだけでも貴重。
 Rob以外で印象に残ったのはドラムスのPhil。ちなみにこのバンドのメンバーの見分け方はかんたんで、鳥男(やっぱりあの鼻が鳥のくちばしみたいに見えるので)がボーカルのRob、のっぽがギターのAdam、肥満児がベースのStuart、そして「なんの特徴もない普通の子」がPhil。そんなわけで、私の印象も薄かったのだが、この子のパワーとテクニックはすごいわ。聞こえないのになんでわかるかというと、たまたま私の位置からは全身が見えるので、ドラムの音は手足の動きで想像できるのだ。このオボコ面ですごい!
 まあ、それを言ったらこのバンドは全員、高校生にしか見えないコドモコドモしたごく普通の子ばっかりで、それもThe Musicを好きな理由のひとつなんだけど。態度もあのルックスそのまま。実にウブでオボコい。そのへんも面構えもけっこうすごみのあるKasabianとは対照的ね。

 あー、しかし、「The MusicとKasabian、どっちが上か?」という疑問(私がひとりで勝手に疑問に思ってるだけ)はますますむずかしくなってきたな。もちろんCDで聴く限りではKasabianはThe Musicの比ではないんだけど、あの日本公演のブートを聴いて、あのバンドにはライブでは圧倒的なプラスアルファがあることがわかったので。そのKasabianは私は見てないし、The Musicはこれではとても聴いたとは言えないので、やっぱりもう一度両者を見るまでわからない。(年だからとか言いながら結局また見る気になってる)
 ただ、インスト部分を聴く限り(で、私に聞こえた範囲)では、やっぱりひたすら押して押して押しまくる一方のThe Musicより、Kasabianのほうがおもしろいのは確か。インストのKasabian、歌のThe Musicという最初の印象のまんまですけどね。

 というわけで、また見たいー! Kasabianも見たいー! どうせなら私が50の大台に乗る前にまた来日してくだせえ。

 で、終わったはずがまた蛇足を書く。観客の乗りは良かったですよ。それといっしょに乗れなかった自分が憎い。でも踊ってる子は案外少ない。観客と言えば、Robのクローンを数人見かけた。もっともカーリーヘアでダブダブのTシャツ着てれば誰でもRobになれるけど(笑)。しかし、最近の日本でカーリーヘアの男の子を見ることなんてめったにないので、わざわざRobに似せてパーマをかけたのだろう。黒髪でカーリーは重すぎて似合わないと思っていたが、最近の子はみんな茶髪なので、けっこう似合ってかわいい。
 RobはよくRobert Plant(Led Zeppelin)にたとえられるが、(踊ってないときの)ステージアクションもそっくりなので笑ってしまった。名前も同じだし、Plantもカーリーヘアがトレードマークだったし。でも重量級のPlantに対し、Robは吹けば飛ぶようにちっちゃくて細いので、まるでPlantのカリカチュアのように見える。それでいて、声は絶対彼のほうがすごいからえらい。

2005年1月15日 土曜日

 The Musicの興奮(と落胆)もまだ冷めない今日このごろですが、(難聴治りました。ご心配かけてすみません)、私には書かなければならないものがある!というわけで、

Manic Street Preachers - The Holy Bible 10th Anniversary Edition 発売記念

The Holy Bible日記

 である。この日記を以前から読んでいる方ならご存じのように、Manicsのこのサード・アルバムは私にとっては封印されたアルバムだった。理由は単純。大好きなんだけど、モロにトラウマに触れるからである。でもこのことはいつかどこかで誰かに話したくて話したくて、でもできなかった。私にはあまりにも痛い生傷だったから。
 しかしあれから10年。いつまでもひとりで抱え込んでいたってしょうがないし、ちょうどいい機会だし、できたら少しでもわかってくれる人に読んでもらいたいので、ついに当時の日記を公開することにしました。読んでほしいのに公開を渋っていたもうひとつの理由は、このウェブ版の日記と違って、こちらは完全に私的な日記ということ。これでもこの日記はちゃんと「読者」を意識して書いてるんですよ。年少の読者や門外漢の人でも理解できて、それなりに読んでおもしろくて、多少はためになって、笑えるものにしようと。でも当然ながら、個人的日記のほうはそんなの何も考えずに思ったことをそのまま書いてます。
 でもいちばん気にしているのは、読んだ人が不愉快になるようなことや、人を傷つけるようなことは書かないこと。しかし、先に断っておきますが、以下のリンクの日記、はっきり言って、人によっては読むと気分悪くなるかもしれません。(私はなります) それでも読んでみたいという方はどうぞ。Manicsを心から愛する方々、中でも「Manicsは好きだけど、Richeyのことはよく知らない」という人にはぜひ読んでもらいたいです。
 もちろん、Manicsについて書いたものは膨大な量があるんですが、その中からThe Holy Bibleの発売(と、Richey失踪)前後のものを4本ピックアップしました。

※ 蛇足ながら付け加えておくと、これ以前からManicsは好きでしたが、音楽的才能は純粋に尊敬してたけど、メンバーはどっちかというと笑いものにしておもちゃにするのが楽しくて好きだったんです。でもこの6か月間に、1枚のアルバムとひとりのミュージシャンがどれだけ私の人生を変えたか、まあ、読んでみてください。
※ 文中にたくさん出てくるself mutilation(自傷行為)という言葉は、日本で言う「リストカット」のことです。もっともRicheyは手首だけじゃなく全身切り刻んでたし、こっちのほうがふさわしいのでそのままにしてあります。当時は日本じゃまったく知られてない病気で、私もショックを受けたりとまどったりしていたけど、その後日本でもそういう若者が増えているのは悲しいことです。
※ この日記は長くさらしておくようなものじゃないので、一定期間過ぎたら削除します。
※ 今日はもうこれだけで疲れ果ててしまったので、アニバーサリー・エディションのリビューはまたあとで書きます。

正気という名の、このもろく壊れやすい牢獄
The Holy Bible発売直前、Richeyの精神病院からの退院後に書かれた日記

この自虐のなんて美しい尊厳」 − The Holy Bible Disc Review
The Holy Bible発売当時のディスク・リビュー

傷だらけの天使 Richey Edwards
Richeyの失踪直前、日本ツアーが中止になったときの、まるで失踪を予知したかのような日記

The Missing of Richey Edwards, Richey Still Missing
Richey失踪の第一報と、その続報についての日記

2005年1月15日 土曜日

 あらためてThe Holy Bibleアニバーサリー・エディションのリビューを書きたいのだが、かんじんのディスクを聴いたり見たりする時間がない! というのも、大学の仕事が追い込みで、商売のほうがすっかりお留守になっていたので、今になってその収拾に追われているわけ。
 これが二足のわらじのつらさだよなー。と言うとえらそうだが、実質は学生のアルバイトほども働いてないのだが(笑)。(ついでに収入のほうも学生より少ない) でも最近は二足のわらじを履くサラリーマンとかも多いのに、そういう人たちってどうやってやってるんだろうか? フルタイムで働いて他に職を持つなんて私には考えられないわ。
 というのも、時間がどうとかいう以前に、私には頭の切り替えだけでもすごい負担なのだ。(時間はどっちかというと、こういう一文にもならない文章書くのに取られている) とにかくまったくの別世界なので。でもこっちの世界へ戻ってくると心底ほっとする。なにしろ自分の言葉の通じる人たち相手だから。だからこそ収入減覚悟で専任辞めたんだけどさ。しかし、早く教師の仕事からは足を洗いたいけど、この調子ではいつになるやら。

 今日はお友達のあかしさんに会いに新宿へ。Manicsのチケットを取ってもらったので、それを受け取りに。まさかとは思ったけど、チケット取り損ねるなんてことがあったらいやだから、彼女に取ってもらったのだ。もっとも彼女は全日程行くが、私はそんな根性もお金もないので日曜日のZeppだけ。
 一方、コレクター業のほうもご無沙汰している間に、Manics、The Music、Kasabianが揃ってシングルを出してしまったので、それを買いに。あー、もう早く商売に戻らないとお金がないー!
 で、買ってきたのはThe MusicのCD2枚と7”、KasabianのCD2枚と10”、ManicsCD1枚とDVD。ManicsのCD1だけ見つからなかった。まあ、これはどこでも買えるからいいや。今はそれをちゃんぽんで聴いてるところ。

 今はManicsの“Empty Souls”のDVDがかかっているのだが、なんというか、最近のこの人たちのビデオって、ものの見事に定石でやる気がないのばっかだな。昔のが良かったというつもりはないけど、少なくともメンバーを見ているだけで幸せになれたけど、今のManicsでは、あー‥‥。だいたいSeanいないじゃん! DVDも出たのに、CDにもビデオ入れる必要もないし。
 これをシングルカットするというのもなー。いや、もちろんこれもいい曲だけど、あのアルバムにはこれより好きな曲はたくさんあったのに。シングルがどれになるか気になるのは、これからライブやブートやらでさんざん聴かされることになるからだ。でもManicsは、Mansunがそうだったけど、シングルよりアルバム曲、B面曲のほうがいいんだよね。「B面ライブやアルバム丸ごとライブもやってくれればいいのに」と、今日もあかしさんと話してたんだけど。

 (CDがThe Musicに変わる) うむ。さすがかっこいいっす。B面が“Bleed From Within”のままなのは、急な差し替えでB面作るのが間に合わなかったからだろうが、私はこの曲が大好きなのでうれしい。しかし、CD2にはリバプールでのライブが入ってるのだが、あのアフリカン・ドラムス大会やってないじゃん! 日本じゃやってたのに! これが今回のセットのハイライトになると思って、私はすごーい楽しみにしてたのに、なにせ難聴で聞こえなかったもので、これでちゃんと聴けると思ってたのになー。
 CD2には4曲入れるのが定例なのに、今回は3曲だけでビデオもないのがつまらない。“Freedom Fighters”のシングルにはポスターも入ってたのに。でも、そのB面がこれだけ良ければ許す。“Bleed From Within”のリミックスもいいが、CD1に入ってる“Middle Of Nowhere”のデモがぐっとくる。
 あと、このスリーブも「前のグルグルのほうがよかった」なんて言ってたけど、こうやって揃ってくるとやっぱりステキ。ところで7”は手にとって驚いたのだが、普通より厚くて重い特製ビニール。これのほうが音がいいんだよね。なんかうれしい。だったら“Freedom Fighters”もそうしてくれればよかったのに。

 (次はKasabian) うーん、なんかこのダルいゆるさがたまらなく気持ちよくなってきてしまった。“Out Of Space”(オリジナルをやってた人は誰か忘れたが、ヒットしてたのは覚えてる)の、(もともと気が抜けた曲だが)思い切り脱力したカバーなんかもやってくれて、この人を食ったところがいい。しかし、このバンドがライブだとあんなにパワフルだというのは、CDではわかんないな。
 ビデオも見た。この人たちのビデオはヤバい雰囲気が最高だ。冒頭、Tomが倒れているオヤジの手をむぎゅっと踏んづけて歩いていくところからして「やったー!」と思った。でもそのあとは「Verveの“Bitter Sweet Symphony”じゃん」と思ったが、なんで人々がTomを見て逃げまどうのかわからない、と思ったら、巨大な空飛ぶサメ(CG)が町を襲ってるんですね。パクッと人を呑み込んだりして楽しー!
 ところで、Kasabianのシングルが出る時は、「今度は何色だろう?」というのが楽しみなのだが、黄色だったのにはがっかり。だって、“Reason Is Treason”が黄色だったじゃないさ! 色は他にもいくらでもあるのに。

 KasabianとThe Musicはプロモもすでに購入済み。最近のアメリカ盤プロモはきれいなピクチャースリーブがつくようになって、日本盤プロモがいちばん見劣りするなー。でも、このいかにも宣伝用っぽいところが安っぽく、やっぱり英国盤プロモがいちばんすてき。というか、プロモまで買わせようという魂胆としか思えない。 

 ほかにはSuedeのブートをごっそり買って帰る。私はもうブートレッグを集める気はしないのだが、とにかく二度と(たぶん)見れないSuedeのブートは別だ。以前けっこう売っちゃったやつの補充も含めて、すべて300〜500円。Suedeがもう忘れ去られているからこの値段で買えたが、私はブートにはこれ以上出す気がしない。

2005年1月17日 月曜日

 はふー、2日間パソコンの前に釘付けになって、ようやくお店のカタログを更新する。でもこのあとは大学の採点が待ってるんだよなー。でも今は疲れたので逃避。

 というわけで(何が「というわけ」だか知らないが)、私の頭はすでにManics一色なのだが、最近いちばんよくしゃべる(んじゃなくてメールだけど)のは、英国のDavid(The MusicとKasabianのファン&コレクター)である。この両バンドはほとんど彼に教えてもらったようなものなので、彼には恩があるのだが、たぶん年齢がかなり若いのか、人のことバカにするんだよねー(笑)。
 私のコレクター仲間はみんな紳士なので、みんな私のコレクションをほめちぎってくれるんだが、彼は「えー、そんなのまだ持ってないの? ぼく、そんなのもう3枚売ったよ」という調子。だからー、私はそれだけコレクションしてるわけじゃなくてー、はるかに出遅れてるし、貧乏だしー。
 だいたい本国のファンに太刀打ちできるわけがない。デビュー直後からThe MusicとKasabianを追いかけているDavidと違って、その噂が日本にまで届き、さらにそれが私の鈍い頭に届くにはタイムラグがあるんだってば(笑)。
 でも、いい人なのは確かで、みすぼらしいコレクターを助けてあげようという一心か、しょっちゅうなんかほしいものはないかと言ってくれる。ただ、彼もほとんどeBayで買ってるので、それなら私が直接買っても同じことなんだよねー。
 しかし、英国のファンもeBayで買うってことは、別に本国だから有利ってこともないか。向こうってプロモを置いてるショップってないのかしら? (最近海外なんてぜんぜん行ってないのでうとい) それを思えば、レア・プロモをいっぱい置いてる店があって、その半額バーゲンとかやってくれた昔の日本は良かったなー。
 と同時に、彼は3日置きに「The MusicかKasabianの日本盤なんか見つかった?」と訊いてくるんだが、そんなに出ないって! でも幸い、本家Strangelove RecordsのコスギさんのおかげでClub Foot EPのプロモをゲットしたので、「売るつもりはないから、何か私の持ってないのと交換して」と頼んだら、さっそくeBayでKasabianのプロモを落札してくれた。よしよし、いい子いい子。英国盤Club Footのプロモなんだけど、私の持ってるのと違うんだよね。8入札で15ポンドもした。やっぱりKasabianはバカ高いなー。ただ、集めるなら今が勝負時と思ってるので、いやでも力が入ってしまう。
 そうそう、こないだヤフオクで買ったThe MusicのTシャツは、さっそくDavidに写真を送って自慢したら、「ほしーほしー!」とうらやましがっていた。私も、もし会場で売っていたら、もう1枚買って彼に送ってあげるつもりだったのだが、あれはなんだったんだろう?

 今週の商品に出たばかりのA Bathing Apeのムックを加えたら、さっそく海外のBapeコレクターから注文が舞い込んでいる。実はNigoさんのCDはいっぱい売ってるが、Bapeの商品は、需要はCDなんかくらべものにならないのはわかっているけど、売らないことにしている。
 理由は単純で、自分が買わないものは相場や売れ筋がわからないから、と言いたいところだが、実際はお金がないから(笑)。だって高いんだもん! これまで売ったのはUNKLEのスニーカーだけだが、それだって2万円も出して買ったのに、まだ1足売れ残っている。もちろんeBayに出せば即売なのはわかっているのだが、こういう高額商品は手数料もバカ高いし、もったいない。でも数万円の在庫を抱え込むのは、うちの資金繰りじゃ苦しくて、だいたい仕入れもできないという悲しさ。高いと言ってもオートクチュールじゃあるまいし、裏原ぐらいじゃたかがしれてるのにね。
 で、この雑誌を見てたのだが、やっぱりかっこいいなー。実は私は自分の着ているものは500円の古着だし、どこへ行くんでもスニーカーだし、ファッションなんてまるで縁のない女のくせに、メンズウェア、それもこの手のカジュアルウェアは大好き。

 種を明かすと、実はその手のものしか着れないという苦しい事情があるのだが。何もかもこの体格がいけない! 日本女性はどんどん小さく細くなっていくのに、私ぐらい太くてでかいとメンズしか着るものがないんですよ。女ものの売り場へ行くと、私の目には子供服にしか見えなくて。
 それでもスカートはまだごまかしてはけるけど、パンツとジャケットは女ものではまったく入らない。なにしろ股下90センチですから、男もののLでも短いぐらい。(やはり女のほうが座高が低いので、足の長さは180センチ台の男の子にも負けない。ちなみに私の身長は171センチ)  だから適当に買って着ている普段着なんか、メンズなのにパンツはスネまで、長袖も肘のちょっと下までしか来ない。
 それでも昔はガリガリに痩せてたので、ジャケットはなんとかなったの。とにかく細長いので絶対そうは見られないが、実はもともと胸囲も肩幅もけっこうあるのだ。でも昔は細さでカバーして入ったのに、そこにお肉がついてきたらもう大変。ジャケットなんか試着しようとしても袖すら通らないことがしばしば。これもメンズでやっとどうにか入るのだ。(もちろん肩は余るが、そのぶん腕が男より長いので袖はちょうどいい)
 余談ですが、太ってうれしいのは胸も豊かになることだけですね(笑)。私は胸なんかほとんどなきに等しかったのに。結局あれも単なる脂肪のかたまりってことがよくわかります。でもおかげでブラウスのボタンがしまらなくなってしまった! というわけで、ジャケットも男ものに頼らざるを得ない。
 でも、いくらなんでもオヤジスーツを着るわけにはいかない、ってことで、結局、若い男性向けのスポーツウェアやカジュアルに落ち着くのよ。こういうのならユニセックスだし、女が着てもそれほどおかしくない、どころかかっこいいからね。
 ところが! 年を取るにつれてそれもできなくなってきている。40まではなんでも着れた。でも、50近いオバサンがBapeを着てるところって、ちょっとうげげ。そもそもショップに入る勇気が出ない。(入っても必ず「プレゼントですか?」と訊かれる。古着屋のいいところは、誰が何を買おうが、気にしないってところでもあるのだ) それで今は着るものがなくて途方に暮れてるところです。

 ファッションの話のついでに、最近買ったお気に入りは革のジャケット。防寒用にはモコモコのダウンジャケットも持っているのだが、これでは東京の冬には暑すぎるということがわかったので、軽くて肌触りのいい革のジャケットを捜していたのだ。(コートは重くてかさばってきらい) 革ジャンはロンドンで買ったお気に入りがあるのだが、これも長年着てボロボロになってきてるし。
 見つけたのはオリーブグリーンのやつで、たっぷりしてるし、軽いし、柔らかいし、タグを見たらフィンランド製だった。(もちろんメンズ) これがわずか5000円! やっぱり古着はいいなー。(私がいつも買う店は売り値がだいたい定価の5%。消費税分で買えちゃう! これもたぶん元は10万円ぐらいのもの)

 おまけ。Bapeのムックを読んでいたら、BapeファンはUNKLEというのはあの宇宙人をデザインした人だと思ってる。ちがうー! まあ、私もNigoを「ナイゴー」と読んでたぐらいだから人のことは言えないが。BapeファンならUNKLEぐらい聴けよ!

 乗ってきたので、さらに年齢と服装について。(若い読者の方、すみません。でもどうせみんなそのうちこうなるんだから)

 体型のことはともかくとして、私は昔から年相応、職業相応の服装というのがきらいだった。特に長らく教師をやってたにもかかわらず、見るからに女教師然とした服が大嫌いで。でも、周囲はみんなそうなんだよね。私はボックスプリーツのスカートなんか死んでもいや! スカートはタイトミニしかはかなかった。おかげでずいぶんいろいろ言われましたが。
 さすがにこれだけ太るとミニはもう無理ですけどね(笑)。もっとも、痩せてても年取ったら無理。だって、筋だらけの足に静脈瘤が浮いてるなんてグロテスクでしかないじゃん。そういう人がいるんですよ、うちの近所に。たぶん風俗関係のお勤めだと思うんだけど、いつもやたら露出過多で流行の先端を行く服装の方が。化粧が濃すぎていくつぐらいなのかわからないんだけど。すごい痩せてて、お尻もちっちゃいし、ウエスト細いので、遠目に見るぶんにはかっこいいの。でも近くに寄ってみるとこわい! いくらなんでもああはなりたくないし。

 しかし、恥ずかしいと言いながら、なんで革ジャンは平気なのか?と思うでしょ? 恥ずかしながら、私も元パンク。これは私のユニフォームのようなもので、どんなに年を取ってもこれだけはやめられない。私も若い頃は無理だと思ってたの。でもロンドンにいたとき、50過ぎのどこからどう見てもオバサンって女性が、革ジャン着て肩で風切って歩いてるのを見て、かっこいー!と思い、私もああいうおばさんになりたいと思ってたのだ。くそっ、これで痩せさえすればまだなんとかなるのに。まあ、私は体がでかいぶん、どんなかっこしても普通のおばさんにだけは見えないからまだましか。
 ところで私の同年代でロックファンはけっこう多いという話をしたが、そういう女性たちはどうしているのか? 実は見事なおばさん体型、おばさんルックで平気でコンサートにも出かけます(笑)。もう人目を気にするとかいうのは超越している。これがおばさんパワーなのだが、さすがに私はまだそこまでは(笑)。
 でもって、前にも書いたように、私なんか及びもつかないような見事なアンコ型体型、見事なおばさんカットに、おばさんルックのそういう女性が、実は筋金入りの元パンクだったりするんだから。

 チラシの整理をしていたら、「グッド・シャーロットVSおかん」という変なのがあった。要するに、おかん(大阪弁のおばさんね)にGood Charlotteのメンバーと同じメイク、同じ服装をさせて写真を撮っているのだが、なかなか似てるし、本物とたいして変わりないじゃない(笑)。「おかんをバカにしてはあかん」という結論でした(笑)。

2005年1月19日 水曜日

 ルンルンルンと、今日は渋谷へ。何を浮かれているかというと、The Musicの“Welcome To The North”の限定盤がそろそろ入ってる頃だと思って。しかし、発売時に限定が出ないと思ってがっかりしてたのに、今ごろ出るなんて変なの。「(いちばん安いので)どうかレコファンにありますように」と思っていたが、ちゃんとあったばかりか、輸入CDは200円引き。おいおい、本国での通常盤の値段より安いじゃないか。ほんとにここの価格はどうなってるの?
 これは消費者としてはうれしいが、商売がたき(笑)としてはくやしい。というのも、このところ、私が日本で売ろうと思って仕入れた英国限定盤が、ことごとくレコファンに入ったばかりか、私の仕入れ価格より安いのだ。もちろん日本に入ってないことを確認してから仕入れてるのだが、日本のショップに入るまでにタイムラグがあるので、てっきりないとばかり思い込んでしまうのよね。それでも他の店に入る前に売り出せばいいものを、私がぐずぐずしていて更新が遅れるものだから、遅れをとってしまう。おかげで売れないものばかり抱え込むはめに。まあ、そんなたくさんは仕入れてないし、自分で持っててもいいと思うのしか買ってないけど。とりあえずThe Musicはレコファンに入るだろうから買うまいという読みは当たった。
 かと思うとぜんぜん入らないのもあるのよね。最近ではFranz Ferdinandの英国限定盤とか。そういうのは本国でも早々に売り切れてしまい高いプレミアがつく。ところが同じ限定盤でも、たくさんプレスされて日本にも入るか、本国でも入手困難かは発売前にはわからない。まったく賭けみたいもので、だから好きなバンドしか買わないわけ。

 で、今はそれがかかってます。これの特典は6曲入りのライブCDがついてて、スリップケースに入ってること。このライブはどうしてもほしかった。なにしろライブではつんぼだったから(笑)。ちゃんとドラム大会も入ってるし。でもたった6曲なんてつまらない。どうせならフルセット入れろー!
 デザインもつまらない。なんかいい加減なデザインで。ファーストの限定盤があんなにすてきだったから(買い漏らした方はStrangelove Recordsにありますよー)、期待してたのに。せめて紙ジャケにしてほしかった。

 今日はほかにも収穫があって、Starsailor(あいかわらず愛を貫いてます)の“Four To The Floor”のリミックス12”というのを発見。10”は買ったけど、こんなの出てたのも知らなかった! プロモかと思ったら正規盤だし。
 あとは、Ian Brownのニューシングルと“The Holy Bible”回顧が載ったMojoを買ってきた。これはあとでリビューを書く参考にしようと思って。

 一方、eBayではことごとく負け続けている。ほとんどがKasabianとUNKLEのプロモだけど。なんかこの辺はもう私の手の届く価格じゃなくなってるなー。かと思うと、やけに安く終わることもあるのだが、そういう時に限って入札するのを忘れてたりして。
 店ではここのところKasabianだけが売れる状態が続いていて、もうKasabianを売るのはいい加減飽きてきたんだけど(笑)、そうやってeBayを見ていたら、うちの価格より高い日本盤を出してるやつがいて、しかもそれが売れている。くやしいので、また出した。
 そしたら変な質問が来た。「バカな質問かも知れませんけど、そのCDって日本語ですか? 英語ですか?」って言うんだけど(笑)。うちの店に来る外人はほとんどが熱心な日本盤コレクターだから、こういうお客さんもいるのを忘れていた。Kasabianが日本語で歌うCDがあったら、私だって絶対ほしい!(笑) しかしまあ、これぐらいはかわいらしいものだ。

 ぜんぜんかわいくないのはヤフオク・セラー。これがもうむかつくやつばっかりで、ここでしか買えないものもあるから、ときどきは仕方なく買っているが、できたら日本人からはもう買いたくないと思うぐらい。何がむかつくって、メールの文面がとにかく無礼でむかつく。もちろん中にはいい人もいるが、10人中8人はむかつくやつだ。まったく、なんでお金払った上でいやな思いをさせられるのかと思うぐらい。
 何にむかつくかというと、これは以前にも書いたし、ひとつずつあげていったらきりがないけど、たとえば、質問をいやがる。質問すると露骨に迷惑って感じの答えをよこすし、中にはこれこれの質問はお断りと先に書いてるやつもいる。
 自分が売る立場だからよけい思うのだが、お客さんは見てもいない商品にお金を払うのである。納得いくまで質問に答えるのが売る側の義務でしょうが! それを拒否するのは何かうしろめたいことがあるとしか思えない。ちなみに、信頼の置けるセラーかどうかを見分けるには、質問に対する返事を見るとわかる。だいたい、質問が来るってことは自分の商品が注目されてるってことなんだから、私なんか大喜びでなんでも答えるけどね。
 「返信メールは必ずこのフォームに記入してください」というのも、むかつく。フォームったって、HTMLじゃなく、テキストメールなのよ。何の違いがあるの? 初心者なんか必要な情報を書き漏らすことがあるからだろうが、こっちはプロだって! 要するに必要なことが書いてあればいいんでしょ? 私ぐらい大量に買っていると、オークションメールなんか全部テンプレートができてるのだ。それをいい加減なフォームに入れるためにはカット&ペーストしなきゃならない。だからそんな注文は無視して自分のフォームで送っているが、取引終了後に「フォームを使ってくださいと言ったはずです」なんて文句を言いやがる。ちゃんと取り引きできたのに、この上、なんで文句言われるの?
 もっと気味が悪いのは「評価を付けないでくれ」というセラー。「こちらからの評価は希望があったときだけ付けます」という人もいる。これはまったく意味不明。言うまでもないが、オークションで詐欺をやるのなんかかんたん。(最近よくマスコミに取り上げられてますね) 相手が信頼できるかどうかの唯一の指標はフィードバックだけなのに、それを付けるなってことは「私は詐欺師です」と書いてるようなものじゃない(笑)。ところが、その人に付いてる評価を見ると、全部「非常に良い」なんだよね。だますつもりじゃないんなら、堂々と評価してもらえばいいじゃない。さっぱりわけわからん。
 いろいろ研究した結果、なぜか日本人には評価を嫌う人(売り手も買い手も)が多いという結論に達した。どうも「評価」という言葉が悪いんじゃないか(笑)。他人に「評価」されるなんて、なんかやな感じだからね。
 まあ、私もあれは面倒だと思う。コメントなんか書きたい人だけに書かせて、普通は5段階ぐらいのチェックボックスで十分だと思うんだけど。だから自分が買ったものには評価付けるのもしょっちゅう忘れるんだけど、私の商品を買ってくれた人には必ず付けます。だって、これまたお金取ってる以上義務じゃない?

 念のため付け加えておくと、ヤフオクで私から買ってくれた人はひとりを除きみんないい人だった。こうなると、私には「やなやつがいい人を食い物にしている」と見えてきてしまう。詐欺報道で客が離れたらヤフオクなんて成り立たなくなるのでは? 私はあんなのなくなってもさして困らないが、eBay Japanの撤退はいまだに痛いと思ってる。もっともそのeBayはほとんど毎年料金が上がって、売り手としては痛いんだけど。

2005年1月21日 金曜日

 はー、疲れた。大学は休みに入ったが、私は12月からまったく休みなしだもんなー。前にクリスマスはかき入れ時と書いたが、実は1年でいちばんお店が忙しいのは1月。なぜかはわからない。おかげさまで商売繁盛と言いたいところだが、仕入れ代金と送料ばかりが出ていく一方、ドルが下がりっぱなしなので両替できない。というのも、私は1万ドルたまったところで日本円に両替することにしているのだが、為替相場が1円違えば1万円の違いだよー! その1万円を稼ぐためにどれだけ汗水たらして働いてるかを思えば、かんたんには両替できない。おかげで家計はあいかわらず火の車(笑)。

 で、今日も仕入れ旅行に。と言っても、もう日本じゃレア盤を発見することなんかあきらめてるので、主として注文してあった新譜日本盤を受け取りに行くためだけど。それでもまた数万円買って帰る。あー、今月はクレジットの請求書を見るのがこわい。
 (買ったものを見ながら)昔だったら、たとえ売り物と言っても、1枚4千円もする中古LP(当然Mowaxです)なんか買わなかったんだけど、私も成長したなー(笑)。もちろん、それ以上で必ず売れるのがわかってるから買うんだけど、やっぱりこんな高い買い物ドキドキしちゃう。〈いかに普段ケチケチしてるかがわかりますね〉

 が、家に帰ってみたら、それより高い10”を買っていた(笑)。何かといえば、Kasabianの“Processed Beats”。もちろん再発じゃなく、10インチのみのリリースだったデビュー・シングル。正確には私が買ったんじゃないの。でもお金払うのは私なの。
 買ったのは最近よく出てくるイギリスのDavid。彼がしつこくほしいものはないかと訊いてくれるので、「もしそっちで安く見つけたら」これがほしいとは言ってあったんだけど、そのDavidが「格安だったよー!」と言って、メールをくれたのだ。安くないよー、私の感覚では(笑)。eBayで11入札も行ってるじゃない。だいたいeBayなら私が自分で入札することもできたんだし。
 しかし彼は純粋な好意でしてくれていることなので、もちろんそんなことは言えない。それにこれが自分のものになると考えたら、急にニマーと笑いがこみあげてくる(笑)。よしっ、これでKasabianは正規盤コンプリートだ(のはず)。
 Kasabianはヤフオクで買ったプロモも届いていた。“L.S.F.”のプロモで、私はこれのホチキス止めの英国盤プロモは持ってるのだが、写真を見るとどうもそれとは別のようなので、日本盤プロモかと思って入札した。届いたのを見ると、これも英国盤。でもスリーブが違う。どうやら日本のレコード会社が配ったものらしいけど。
 これは儲け。だってたったの500円で誰も入札しないんだもん。ちなみにeBayでいくらしてるか調べたら、1枚も出てない。Kasabianはまだまだ日英でかなり温度差があるようだ。っていうか、日本人ってプロモは集めないんだろうか? でもヤフオクでKasabianを検索すると、入札者のある商品ゼロだもんなー(値段もべらぼうだけど)。

 こうしてKasabianコレクションは着々と増えているが、今日はThe Musicの“Welcome To The North”アメリカ盤を買って帰る。1200円ちょっと。違いはシュリンクラップ上のステッカーぐらいだが、ここまで来たら完コレ目標だ。そのThe Musicコレクションを整理していたら重大な欠陥があることを発見!
 The Musicのデビュー時は今のKasabian並みに売れていたので、(こちらは悲しいかな、確かに向こうでも冷えてきている。セカンドのほうが絶対いいのに!)、調子に乗って日本盤を売りまくっていたのだ。それで在庫が手元にないときは自分用に持っていたぶんも全部売ってしまい、今残っているのを見たら、開封済みの見本盤だけ!
 最近は聴くのはもっぱら輸入盤で(英国盤は封がないから)、日本盤は未開封のまま集めることにしている。せめてThe Musicぐらいは、ぜんぶ未開封新品で持っていたいのに! しかも彼らのCDはほとんどが初回盤特典付き。でも3年前の初回盤なんてもうどこにもない! ひえー!
 日本人コレクターとしては日本盤は命。まして英国のライバルは(みんな私から買って)持ってるのに、売ってる本人が持ってないなんて! こうなったらよっぽど売れない、しかもCDが揃ってるレコード屋を捜すしかないが、古い日本盤シングルなんて置いてるところほとんどないんだよね。困った。
 これを教訓に、Kasabianはとにかく1枚は手元に残すことにしているが、黒盤は開けちゃったんだなー。これももうどこにもないし。ぐすん。

 自分で書いてて驚いたが、私が「日本人コレクターとしては日本盤は命」なんて言うようになるとはねえ。というのも、昔は日本盤なんて粗悪な代用品としか思ってなかったのに。これは実際そうだった。日本盤というのは、高い輸入盤が買えない貧乏人が買うもので。(なにしろ1ドル=360円、1ポンド=1000円の時代でしたから) その時代が長かったので、すっかりそういうものと思っていたが、もちろんその意識が変わったのは海外のコレクターとつき合いだしてから。なんであれ、国際的には日本盤のほうがレアなんだと気付いて。
 私の心配は、こうもCDが売れない時代に、日本のレコード会社がいつまで日本盤を出してくれるだろうかということ。これだけ大量の洋楽の国内盤が出る国って日本だけですよ。理由は言葉の壁のためと言われているけど、歌詞カードだけのためにいつまで日本盤を買う人がいるかどうか。とにかくコレクションとしては価値があるんだから、皆さんも買ってください。

 最近の英国新人では、Bloc Partyがガンガン売れている。(と言っても、うちで「ガンガン売れる」というのは3枚ぐらいですが、うちあたりで同じCDが3枚売れるということは相当な人気があるってこと) これは私も注目していたバンドで、レコード屋で試聴したのだが、どうもぴんとこなかったんだよね。でも私よりはうちのお客さんたちのほうがよほど耳が肥えてるので、ちゃんとアルバム聴かないとだめかな?

 eBayを視察していたら、景気のいいもの発見。Hope Of The Statesのデビュー盤“Black Dollar Bills”のサイン入りが175ポンド! 確かにこれはレア盤だが、同じのが10ポンドから出てるのに、サインが入ってるだけで34000円!(もちろんまだオークションの途中なので、最終価格はこれ以上行くはず) すごいなー。っていうか、インディー系の新人に3万っていう感覚が私には理解不能。だって、まだ海のものとも山のものともわからないわけでしょ? 確かにいいバンドだけどね。Hope Of The Statesもちゃんと集めなくちゃだめかなと思っていたのだが、これを見たらなんかその気力が失せた。もっとも、これだけ行くほどのバンドこそ集める価値があるんだけどね。
 これは賭けてもいいけど、日本では半年もすればKasabianはあらゆる中古屋にどっとあふれますよ。日本人って飽きっぽいから(笑)。でも英国でのコレクター人気は衰えないと踏んでいる。というのも、英国での異常人気を見ているし、コレクターというものはたとえそのバンドに飽きても、大枚払って買ったものをなかなかあきらめる気になれないから(笑)。私だって、ファーストシングルに(私としては)大枚投じたMy Vitriolをあきらめる気にはなれないもの。
 そういや、どうしてるんでしょうねえ、My Vitriol? オフィシャルサイトが新しくなったから、いよいよセカンドが出るかと思ったら、作りかけのまま放置されてるし、このままでは忘れ去られてしまう! (っていうか、英国ではもう忘れられている) 最近の英国新人の中では白眉のバンドと期待していたのに! というか、私が期待しすぎるとたいていこうなるんだが。

 朝日新聞のコラムにメンフィス・ソウルのコレクターらしい人が、「レコードというものは聴くだけじゃなく、なでたりさすったりして楽しむものなんだから、CDなんか集める価値ない」と書いていた。私はCDでもなでたりさすったりして楽しんでますが(笑)。その私でも、デジタル配信の音楽はその意味で絶対買う気になれない。でもこいつのせいでCDもなくなるかもなー。それを思うとipodはかわいいけど憎い。

2005年1月23日 日曜日

Jポップの海外進出のはなし

 曲がりなりにも商売を始めてから、それまでまったく読んだことのない新聞の経済面を読むようになった。いや、もちろん私のような零細ビジネスにはなんの参考にもならないんだけど、ある意味、損得だけのわかりやすい世界なので、気の滅入るニュースを読むよりおもしろいから。特にやっぱり音楽業界のニュースは注意して読む。
 そしたら、Jポップが海外進出を賭けて売り込みに必死みたいな記事が載っていた。そういうのって、やたらしょっちゅう聞くような気がするんだけど。宇多田ヒカルみたいに意識的にアメリカへの売り込みを狙った人もいるけど、ぜんぜんだめだったんでしょ? 理由はよくわかるんであって、確かに彼女は歌もうまいし、英語もできるし、歌うべきものを持っているけど、たぶんアメリカ人にはちょっと変な民族音楽にしか聞こえないし、普通のポップファンに売るのはまず無理でしょう。まあ、私のJポップの知識って、それこそ外人並みだからよく知らないけど。

 そうじゃなくても、Jポップのアメリカ進出はまず無理、と私は思ってる。第一に歌下手すぎ(笑)。これで99%だめ。日本でうまいと言われるプロで、向こうの素人のど自慢並みと思うんだが、どうでしょう? そうじゃなくても、アメリカのような超大国(国自体も大きいが、それ以上にエンターテインメント超大国なのは事実)では、みんなものすごい競争を切り抜けてデビューしてくるんだから、どんな歌手でもバンドでも(好き嫌いはどうあれ)みなそれなりの水準に達している。その水準から見れば、Jポップの歌手やバンドは真っ先に切り捨てられるレベルだと思う。
 イギリスはそうじゃない。それが英国バンドがアメリカで受けない理由でもあるのだが(笑)。だいたい少年ナイフが受けたような国だし(大笑)。それにしてもごくごく一部の物好きに受けるだけで、わざわざ進出する意味ないけどね。
 さらに、英米のみならず、世界的に売るためには絶対必要条件がある。それは英語で歌うこと(もちろん「ちゃんとした英語」で)。これで100%だめ。(英語で歌うJポップシンガーっているんですか?) 最近イギリス以外のヨーロッパ・バンドが人気だが、どこの国のバンドでも判で押したように英語で歌うのは、フィンランド語で歌ってもフィンランドでしか売れない、でも英語ならヨーロッパ全土で売れる、下手するとアメリカでも売れるからである。
 その気持ちは私もわかる。だって、聴いてても意味のわからない歌って無性にイライラしない? これは字幕付き映画でも同じ。日本人は字幕の洋画を文句も言わずに見てるが、英米人で字幕映画を見る人は岩波ホールの映画を見る人ぐらいの数だろう。(根拠なし)

 いきなり思い出したが、「英語で歌う」と言えば、私にはいやな記憶が。前に書いたように、昔のボーイフレンドがバンドをやっていたのだが、彼(シンガーだった)は「ロックは英語でなきゃだめ」という信念の持ち主で、それは私も同感だが、モンダイは自分が英語できないからと言って、私に歌詞をすべて英訳させるのだ。
 これは翻訳をやったことのある人しかわからないだろうが、まず第一に詞というものは基本的に翻訳不可能、第二に英語から日本語へならまだいいが、その逆は至難の業、第三に自分の言葉ならまだしも、他人の書いたものを翻訳するのはつらい、第四にただ訳せばいいってものじゃなくて、曲に乗らなきゃしょうがない。
 おまけに、それを時間を限られて(次のギグに間に合わないとかいう理由で)、徹夜でやらされた(隣で、「これじゃメロディに合わない」とかごちゃごちゃ言われて眠らせてもらえない)んだから泣いた。しまいには、これなら自分で書いたほうがまだましだと思って、作詞までしていたのだ。しかも、私はべつに彼のバンドのファンじゃなかったばかりか、むしろ積極的に嫌ってたのに(笑)。それを言ったら彼にもそれほど惚れてるわけじゃなかった。ただ、私も彼も詞にはそれなりのこだわりがあって、妥協したくなかっただけ。
 今なら「あんたとはやってられんわ!」と言って即別れただろうが、若い頃は私も純真だったなー(笑)。だから私は(日本語であれ、英語であれ)詞が書ける人は尊敬しますよ。すごい大変な作業だって知ってるから。
 しかし、今にして思うと、こういう「修行」も英語力向上には役立ってたんだから、彼には感謝しなきゃならないのかも。英語はいくら机に向かって勉強したってものにはならない。どうしても使わなきゃならない状況に追い込まれて、泣きながら実地で使うんでなきゃ本当の勉強にはならないのよね。本当にアメリカで売りたければ、Jポップの歌手もレコード会社とかの後押しなしに、単身アメリカへ渡って、皿洗いのバイトしながら場末のクラブサーキットから始めるんでなきゃだめだ。(たぶん移民法で挙げられるけど)

 話がそれたが、私はJポップが海外で売れることを望まないわけではない。むしろ欧米でJポップがガンガン売れる時代になれば、ビジネス的にはすごくうれしいのだが。下地はないわけではないんですよ。海外公演をやった日本のバンドを見たお客さんからはけっこう好意的なメールもらったり、注文もらったりするし。だけど、一生に一回のアメリカ公演じゃ、たちまち忘れ去られてしまうだけなのよね。行けるという感触つかんだら、定住して地道な営業しなきゃ。でもそんなことやってるより、日本で活動した方がはるかに楽でお金になるから誰もしないだけ。
 そんなわけでStrangelove Recordsでは、日本人アーティストはダンス系に限って置いている。これなら歌や言葉の壁がないし、私としても海外アーティストに遜色ないと思ってるから。

 おまけ。やっぱり新聞で読んだのだが、今また手品が人気だそうで、レコード会社がそれに便乗しようと、マジックもできるアイドル=マジドルというのを売り出したと書いてあった。それでAvexの人が、「これからのアイドルは歌だけじゃなくプラスアルファもないと」と言っているのを読んだ。コンサートの曲間にマジックを披露したりするんだそうだ。これを読んで私は笑いころげてしまった。マジかよー! まあ、アイドルというのはもともと色物だし、マジックをバカにするわけじゃないが、それにしてもそこまでしないとならないの?
 っていうか、アイドルにプラスアルファくっつけるなら、それはセックスしかないじゃない。だから裸踊りするとか言うのならまだわかるんだけど。(それならTake Thatがやって、私的には大いに受けたし)、なのに繊細な日本の男子諸君はアイドルの裸より手品を見たいと思うのか? 日本のアイドルって私には最も不可解な部分だが、ますますわけがわからなくなってきた。
 とにかく、こういうのを読むと私は勝手な妄想に走ってしまい、Kasabianのコンサートの最中に、Tomがトランプを取り出して、「それじゃこのへんで手品をひとつ」と言うのが目に浮かんできて、おかしくておかしくて‥‥! 

2005年1月27日 木曜日

 ふぁー、ねむい。1週間かかってようやく大学の採点を終える。家でやる仕事に時給は出ないので、まったくわりに合わない商売だよ。でも教師というのはけっこうバカだから、一文にもならないことでついホロッとしちゃったりして。いや、早稲田では最後に英語のスピーチをやらせたんだけど、けっこう立派なスピーチする子もいるんだよね。学生はやれと言われたからしかたなくやってるのはわかってるんだけど、でもそういうの聞くとついホロリとしてしまう。1年坊主だし、入ったときは英語はおろか、人前で話すことなんて無理って感じの子供らを1年かけてここまで育てたと思うとよけい。これだけやってるんだからもっと給料よこせー!

 でも試験の採点は嫌い。教師の仕事の中でいちばん嫌い。そのつらい作業の最中にお店でもトラブル発生。なんと、3人のお客さんから、もう届いているはずの商品が届かないという苦情が。海外相手ではそのリスクは心得てるつもりだけど、そんなことは普通1年に一度あるかないか。それが一度に3件というのは異常だ。そのうち2つは書留で送ったので、たぶん税関で止められてるだけで、届くと思うんだけど、もう1つはかなり心配。(これまで書留小包が紛失した例は一度もない)
 それに書留のひとつは売り値3万円もするBapeのシューズだから、これが消えたら私は大損害(書留で送った商品はすべて私持ちで弁償することにしているので)。それを思うと、届くまで気が気じゃない。商売やってるとこれがいちばんつらいね。と言っても、専任教師やってた頃の仕事に関するイライラや不安とはくらべものにならない。だって、たとえ最悪の事態でもお金で解決できる、私が損すればすむことだもん。人間を扱う商売では、お金では絶対解決できない悩みばかりだったから。

 一方、私がeBayで買ったThe Musicのプロモの1枚も届かない。セラーにそう言ったら、いかにも誠意のない対応で頭に来た。こっちは同じ状況で、お客さんの苦情に誠心誠意気を使って、死ぬほど心配して、できるだけのことをやってるだけによけい。これなんか数百円の商品だから、私だったらお客さんに悪印象与えるよりは、そのぶん損して返金したほうがましだと思うけどね。

 今日の届きものはKasabianのアルバムプロモ。すでに持ってるのと同じやつかもしれないとは思ったけど、ダブったら売ればいいやと思って買ってしまった。(商品説明があいまいではっきりしない、写真が小さくて見にくい、というのも同業者としてイライラする)
 届いたのを見ると、レーベルデザインもCD-Rプロモというのもいっしょだが、私のは全曲入ったプロモなのに、こっちは5曲入りのサンプラーだった。私のはちゃんとした紙ジャケに入ってるが、こっちはCD-Rプロモに良くあるビニールケース入り。Kasabianはこんなものまで集めるほど凝ってはいないのだが、やっぱり自分のものにしてしまう。

 他に最近自分用に買ったのはCooper Temple Clauseのセカンドの限定盤。DVDがついて中古で890円。この情けない値段が、日本でのこのバンドの凋落を表している。Cooperはデビュー時、Strangelove Recordsではかなり売れたので気にしていたバンドなのだが、自分自身は最初のシングル数枚を聞いただけで、「とても元気のいい人たち(笑)」というぐらいの印象しかなく、私のジャンルのバンドじゃないと思っていた。
 でも、たまたまお店用に仕入れたセカンドのプロモを聴いて、「えっ? Cooperってこういうバンドだったっけ?」と思ったのは以前にこの日記にも書いた。あと、なんかのインタビューをちらっと見たら、「UNKLEとかMassive Attackみたいなアルバムを作りたかった」と言っているので、ますます「ええー!」。だからセカンドはぜひ聴きたかったが、例によって貧乏なので、890円まで下がるのを待っていたのだ(笑)。
 で、聴いてみたら確かにこれはかなりの意欲作。実際にトリップホップっぽい部分もあるし、臆面もないヘヴィメタルの部分もあるし(笑)。と言うと、まるで分裂症のようだが、実際聴いてると分裂症になりそうだ。そのいい例がラストの大曲“Written Apology”で、陰鬱なバラードから始まって、最後はブレイクビーツ風のリズムにギターが吠えまくる、はっきり言って好き勝手にむちゃくちゃやってるような曲だが、単純な縦乗りビートばかりの最近の新人を聞き慣れた耳にはやけに新鮮。このまったく両極端がこのバンドの個性としてまとまれば、他に類のない個性的なバンドになれるかも。
 トリップホップと言っても、上記の方々とくらべちゃうと、やっぱり子供がまねしているような印象だが(笑)、“Into My Arms”のエンディングのインスト部分なんて本当にUNKLE(の攻撃的な部分)みたいで、しびれるほどかっこいい。
 一方、シングルの“Promises Promises”なんかは「臆面もないヘヴィメタル」のほうだが、これはこれでかっこよくて好き。私がヘビメタをバカにするのは音楽が嫌いなんじゃなくて、やってる人が嫌いだから。刺青だらけの丸太みたいな二の腕の人が嫌いだからで、こういう青白くて情けない顔したやせっぽちのイギリス人がやってるならいいの。〈よくわからん理屈だ!〉
 うーむ、とにかくまだすべてが荒削りだが、これはやっぱり大物かも。聴くぶんにはKasabianよりよっぽどおもしろい。(Kasabianはまあ、将来性を買ったわけで) このバンドはやっぱりライブを見たい。それに彼らの初期シングルってやっぱりレア盤なんだよなー。いかんいかん、こうやってちょっとでも気を引かれたバンドはコレクション始めちゃうときりがないのに。とにかくCooper Temple Clauseはまだ目が離せない。だいたい私の耳よりうちのお客さんのほうが確かなので、うちで売れるバンドは無視しちゃいかんのよね。

 それ以外で最近買ったのは日本盤ばかりで、それも昔のバンド。Pale Saintsのセカンドとサード、Eyeless In Gazaの“Back From The Rains”。これらの日本盤は今や非常にレアで、どこを捜しても売ってない。
 Pale Saintsはデビューしたときはすごく気にしていた。シューゲイザー・ブームの中でその系統のバンドだと聞いたし、バンド名は私の愛するEyeless In Gazaの曲から取ってるし。ところが、聞いてみたらEyeless In Gazaにはぜんぜん似てないし、期待していたほどの音じゃなかったのでそれっきり関心を失っていた。そもそもシューゲイザー自体(Mark Gardenerの色香に迷った)Rideを除くと、「めめしくてきらい」と思ってたし。でも、今ごろになってやっぱりシューゲイザーもいいなーと思うようになり、特にPale Saintsは4ADという付加価値があるので、せめて日本盤ぐらいは持っていたいと思って。

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