2005年3月の日記

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2005年3月3日 木曜日

 また(私としては)高いものを買ってしまう。ぐすん。って、泣くぐらいなら買わなきゃいいんだが(笑)、コレクター&ディーラーとしては何がなんでも買わなきゃならないものというのがあるんですよ。

 今回はレコードじゃなく本で、4ADレーベルの専属アーティストVaughan Oliverの画集(古書)2冊。展覧会のカタログとして作られたThis Rimy Riverが3000円、ハードカバーの画集Visceral Pleasuresが4000円。何度も書いてるが、私は4ADの音楽よりもこの人のアートワークのファンで、だからレコードは買わなくても、彼の作品は細々と集めていた。(だって高いんですよお。ポストカードが1枚1000円だもの) 古今東西あらゆるデザイナーの中でいちばん好き。
 ちょうどStrangelove Recordsでも「4AD強化月間」でもあるし(自分で勝手に決めた)、この2冊がまとめて売りに出てるのを見たときは「やった!」と思ったのだが、すぐに冷静になって考えた。もしかして、リプリントされてアマゾンあたりで安く売ってるとしたらどうしよう? やけに新しくてきれいだったので、その可能性は十分あるとは思ったけど、これも私には「見たら買わないわけにはいかないアイテム」なんですよね。

 そこで家に帰ってさっそくインターネットで調べる。(こういうときのために、弟が自慢していた「ウェブが普通に見られる携帯」買わなきゃだめだなあ) 専門店に行ってみると、両方ともまだ売ってる。これだけでがっかりだけど、値段は130ドルと120ドル。「よしっ!」と思ったが、さらに捜すと、This Rimy Riverを28ドルで売ってるところがあるし、Visceral Pleasuresはアマゾンで新本が4658円じゃないさー! がっくり‥‥。
 なんでこうなるの? というのも、This Rimy Riverは発売当時、カタログだと言うから今買わなきゃなくなると思って死ぬ思いで買ったのに! 値段は覚えていないが、まだ定職についていた(ので薄給だけど今よりは懐に余裕があった)当時に死ぬ思いだったんだから6000〜7000円はしたと思う。それがなんで、10年後の今でも3000円で買えるの?
 限定版もあるそうだから、もしやと思って自分のと見くらべたが、まったく同じ。発売年も版も書いてないので、初版と威張ることもできない。だいたい私のよりこっちのほうがはるかにきれいじゃないさ! 私はもちろん新品で買って、大事に大事に保存してあったのに! しょうがないので、新しい方を自分用に残して、自分のは売ることにしたけど、大儲けの夢は消えた。
 一方、Visceral Pleasuresは持っていなかったので、アマゾンで新本を買うのをあきらめて自分用に残すことにした。まあ、新本同様だからいいや。これはもったいないのでまだ読んでない。でもパラパラめくっていたら、日本でのVaughan Oliver展(そんなのやってたことも知らなかった)のポスターがあって、それを見ると、名前が「ヴァン・オリヴァー」になっている。私はずっと「ヴォーン・オリヴァー」と読んでいたので、すごい違和感。えー、だって、ロバート・ヴォーンのVaughanだからVaughan Oliverじゃないのー?(例が古い) 「固有名詞発音辞典」は大学辞めるときに取り上げられてしまったので調べられないや。

 ところで、Vaughan Oliverと言えば、私は彼のカレンダーを切り離して額装してしまうという、コレクターとしては正気とは思えないことをしてしまいました。それも当時はコレクターじゃないからできたことだけど。これは本当にどこにもなくて(今検索したら、Strangelove Recordsがトップに出てくるぐらいで)、値段は想像もつかない。でもおかげで汚いうちの中で玄関(の壁のほんの一部)だけはとても美しくなりました(笑)。と書いたら、This Rimy Riverも売らずに切り取って額装したいという欲求がこみ上げてきたが、ここはじっと我慢して売れなかったらそうしよう。

 しかしこれで思ったが、やっぱり集めるなら(それに売るなら)本よりCDだと思った。だって、CDならリプリントされても、初回盤とまったく同じってことはないし、「オリジナル」のほうが絶対価値があるもの。そもそもCDシングルは(日本盤の一部を除き)すべてが初回限定で、なくなったら二度と再発されることはない。それを思うと、CDは安すぎるような気がしてきた。


テレビのはなし

 ライブドアv.s.フジテレビの抗争は経済に明るい人ならすごくおもしろいんだろうが、株のことも知らないし、お金とまったく縁のない私には何がおもしろいんだかわからない。そもそも、外資による乗っ取りに対する危惧が根っこにあるようだが、なんでマスコミが外資に買われちゃいけないのかもわからない。英国なんかあのThe Timesですら外国人に買われちゃったもん。だいたいフジテレビなんて今でもこれ以上つまらなくなりようがないんだから(Beat UKもなくなっちゃったし)、むしろ買収されて変わった方がいい。

 実は私は原則としてフジに限らずテレビは見ない。なんかスノッブっぽく聞こえるかも知れないが、貴重な時間を使って見たいと思うような番組がないばかりか、見ないためならお金払ってもいいと思うぐらいだから。テレビがつまらないというのは世界中の人みんなが言ってるが、中でも日本のテレビのつまんなさとくだらなさは群を抜いていると思う。
 理由は視聴者が多すぎ、そのぶん巨額の金が動くからだ。それは映画もそうだが、テレビ視聴者の数は映画の観客数とはくらべものにならない。テレビは映画館にも行かないし、ビデオも借りないような田舎のおばあちゃんだって見るし、赤ちゃんだって見るし、猫だって見てる。そのぶん、テレビは「一般大衆」に迎合しなくてはならない。実際には「一般大衆」なんてものは存在しなくて、あるのは平均値だけなんだけど。当然ながら、一部の人にとっておもしろい番組(Beat UKとか。あれもたいしておもしろくはなかったけど)は、一般人にはすごくつまらないわけで、結果は「みんなにとってほどほどにつまらない番組」だけが生き残る。
 それにくらべて本やCDは作るのにそれほどお金がかからないので、変なのもいっぱい出る代わり、すばらしい(けど売れない)ものも作れるわけ。

 たとえば書店のベストセラーリストを思い浮かべてほしい。あれが大衆の好む本というわけだが、その中で私が読みたいと思う本は1冊もない。ちなみに今週の紀伊國屋書店のトップ10を見ると、

1位 『これだけは知っておきたい個人情報保護』 (毎日それで神経すり減らしてるんだから今さら必要ない)
2位 『神秘の法』 (幸福の科学! ちなみに信者が組織買いする宗教本を、「これだけ売れてるならいい本だろう」と言って買う人もいるそうだ)
3位 『問題な日本語―どこがおかしい?何がおかしい?』  (これまた毎日のようにそれでイライラさせられている語学教師としては、今さら知りたくもない)
4位 『ワルの知恵本―マジメすぎるあなたに贈る世渡りの極意』 (マジメでないのでいらない)
5位 『きみに読む物語』 (「純愛小説」。おえー!)

ちなみに6、8、9位はゲーム攻略本、7位は創価学会本、10位は堂本剛カレンダー。これが日本のベストセラーである。見ただけで吐き気がすると思いませんか?(私はします) 英国シングルチャートもけっこう吐き気がするが(笑)、少なくともこれよりはましだ。
 テレビというのは、言ってみればベストセラーしか読めない本屋みたいなものだ。ちらっと見ただけで吐き気がしてそれ以上見れない私の気分、少しはわかっていただけるでしょうか。 


また大人のロック

 日経が増刊だけど、その名も『大人のロック!』という雑誌を出した。日経が出すからには、それなりに需要があるんでしょうな、オトナのロック。でも、まぎれもない大人のロックファンである私は、どうしてそういう人たちが、Eric ClaptonとBeatlesとQueenだけで満足してられるのかわからない。もちろん、かく言う私もその三者に狂ったことはあるけど、ClaptonはBlind Faith(1969年)まで、QueenはA Night at the Opera(1975年)までだったけどな。(さすがにBeatlesだけは解散までつき合った)
 このぶんだと、私が老人になるころには『お達者ロック!』とか言って老人向けロック雑誌もきっと出るぞ。表紙はSex Pistolsだったりして(笑)。やだなあ。

2005年3月6日 日曜日

Walking with Prehistoric Beasts

 「テレビは見ない」とか上に書いておきながら、朝の4時までテレビを見てしまう。あー、私の言うことは矛盾だらけなのでいちいち突っ込まないように(笑)。
 というのも、BBCの「Walking with Dinosaurs」の続編「Walking with Prehistoric Beasts」(CGで絶滅哺乳類の生態を再現した「ドキュメント」)をやってたので。ついでに同じ時間帯にやっていた「鼓童meets玉三郎」も見たかったので、チャンネルをカシャカシャ変えながら見ていた。(実は録画しようと思ってビデオを入れたら、長年使ってるベータマックスがとうとう壊れてしまったのだ)
 しかし、夜の2時から4時というこの時間帯にこれをやるかね! BBCのこのシリーズは、全世界のテレビの中で私がいちばん楽しみにしているものなのに! これだけでも日本の「一般視聴者」と私の好みがどれだけかけ離れているかわかる。おまけに、日本語版は変な司会や解説入れやがって、なんでそのままCGだけ見せない?

 で、見ての感想だが、やっぱり哺乳類きらい(笑)。というか、私は動物は(霊長類を除き)なんでも好きなのだが、なまじ同じ手法で撮ってるだけに、前の恐竜にくらべていかにもみみっちくてかっこわるい。期待していた剣歯虎は名前はトラでも実はクマに近いそうで、なんかハイエナみたいな体型でいまいちかっこわるいし。でも最悪なのは我々のご先祖様で、見てるとつくづく人間であるのがいやになって、自己嫌悪に駆られる(苦笑)。どうしてこんな奴らが生き残れたのかなー(笑)。ナレーションでは「弱いからこそ強くなった」と言っていたが。

 これ見ていて思い出したのが、いわゆるレッドデータアニマル(絶滅危惧種)のこと。絶滅から動物種を守ろうなんてことがよく言われるが、アンチ環境主義者の私はこれにもカチンと来る。
 生物の歴史始まって以来、人間の登場のはるか以前から、絶滅しなかった種はないのである。もしかしたら人類とゴキブリだけは例外になるかもしれないが。
 地球上の生命は、ちょうど個体が生まれては死ぬように、種そのものが存亡をくり返して進化してきたのであり、それに人間が手を加えるなんて、神をも恐れぬ行為をしていいんだろうか? たとえば、今、放っておいたら絶滅したはずの種を人が保護することで、それが100万年後の地球の動物相をどれだけ変えてしまうかわかってるんだろうか。もちろん、環境保護論者はそんな先のことなんて考えない。環境保護論者はすべて利己主義だと私が思うのは、彼らはしょせん今の、自分が生きている環境を守ることしか考えていないからである。「鯨さんみたいに大きくて立派で賢い動物が滅んだらいやでしょ?」って感じで。だったら、人間みたいに大きくも立派でも賢くもない動物は滅んじまえ、と、つい暴言を吐きたくなる。

 ついでに、鼓童のほうは和太鼓は好きなんだけど、それ以外の民謡調の部分がだめ。私は民族音楽すべてだめなので。ただしイギリスのものを除く(笑)。


オークションのはなし

 最近の届きものはMansunのプロモフラット(レコード店のディスプレイ用のLPサイズのポスター)。商売やってるとわかるんだが、この手の紙ものはいちばん人気がなくて売れない。どうしてかなー、私は好きなんだけどなー。特にどんなスリーブも12インチサイズのほうがきれい!という点において、このフラットは好き。Mansunスリーブはずいぶんけなしたが、このKleptomaniaは白黒の文字だけのデザインがおしゃれだし。

 しかしまた最近オークションでガンガン買ってるなー。何を買ったかはもう忘れてるので、届いてみないとわからないけど(笑)。実はオークションでは、eBayは買うだけ、ヤフオクは売るだけにしたい。理由は

1) eBayはひたすらバイヤーに優しく、ヤフオクはひたすらセラーに優しい仕組みになっている。
つまり、eBayは出品料金がバカ高く、送金手数料も出品者持ちなのに、ヤフオクは料金も安く、送金手数料は買い手が払う。

2) eBayはセラーが良く、バイヤーが悪い。逆にヤフオクはセラーが悪く、バイヤーがいい。
eBayのセラーは有能なプロが多く、たいていは取り引きもスピーディでスムースなのに、ヤフオクのセラーは前にも書いたが、感じの悪いやつばっかで対応ものろい。逆にeBayは落札したのにメールもお金送ってこない客多数なのに、(こないだ売ったKillersも3人のうち2人が、何度催促してもまだ送金してくれない)、ヤフオクのお客さんはメールもていねいだし、送金も早い。

 ところが、もっぱら外人に日本盤を売る商売をしている都合上、ヤフオクは買い、eBayは売りで、まるきり逆なんだよねー。以前から国内のお客さんを増やそうと(気持ちの上では)努力を続けてはいるのだが、やっぱり来るのは外人ばかり。在庫が増えるのに比例して、お客さんは着実に増えてるんだけどねえ。これだけのレア盤在庫のあるウェブショップって、国内にはないと思うんだけど。やっぱりドル表示がまずいのかなー。
 だから、集客のためにもヤフオクでは売りにまわりたいのだが、いかんせん、日本で何が売れるのかがどうもつかめない。よって、ヤフオクで売るのはもっぱら私的な不要品ばかりになってしまう。というわけで今もビデオを何本か売りに出してますが、はたして売れるのかどうかもわからない。

 でもね、売る側としてはしゃくだけど、eBayのやり方の方が商道徳としては正しいと思うよ。だって、お客さんを大切にしなくてどうする? ヤフオク・セラーには「買っていただく」んじゃなくて「売ってやる」という態度のやつが多いのも、そういうヤフーの態度を反映しているとしか。いや、ヤフーにしてみればお金払ってくれるのはセラーのほうだから、これで正しいのか?(笑)
 かく言う私も、日本人のお客さんにはさすがに振り込み料まで負担することはしないけど、そのぶん、いろんな形でサービスしている。ときどき思うんだけど、けっこう売れてるにもかかわらずちっとも儲からないのはそのせいか?(笑) やっぱり私は「買い手」体質がしみついてるので、売るときもつい買う立場になって考えてしまうのよね。商売下手だなあ(笑)。

2005年3月8日 火曜日

Pineapple Thief Disc Review

 28日に書いたPineapple ThiefのCDがもう届いた。実はお客様に頼まれたのは今月末に発売予定の“10 Stories Down”というCDだったのだが、私が買ったのは“12 Stories Down”という昨年出たCDで、「間違えたー!」と泡を食ったところ、これも欲しかったそうでむだにはならず良かった。それにしてもなんてまぎらわしいタイトル付けるんだ。
 というわけで、お客様のぶんとは別に、彼らがこれまでリリースした全4枚のアルバム、一気買いしてしまいましたよ。これがまた高かったんだけど、ほかではどこでも売ってないのでしょうがない。このケチの私が、しかも一度も聴いたことのないバンドのCDを1万円以上一気買いするなんて異例中の異例だけど、とにかくこのチャンスを逃したら二度と買えないかもしれないと思ったのと、オーディオ・クリップを聴いただけで絶対好みのタイプだとわかったから。まあ、基本的には手に入らないものほど欲しくなるというアレですけどね(笑)。

 いちおう正式に紹介しておくと、これは元Vulgar UnicornというバンドにいたBruce Soordというドイツ人(活動しているのは英国)シンガー=ギタリストのバンドで、曲もすべて彼が書いてるし、もとは彼のソロ・プロジェクトみたいなものだったらしい。1999年にファースト・アルバムを出して、もうすぐ5枚目が出るんだから、相当キャリアがあるわりには、今もってまったく無名。CDはすべてイギリスのCyclopsというインディーから出ている。

 ところで、もっとPineapple Thiefについて知りたくて調べていたところ、彼らが所属するCyclopsというレーベルはプログレ専門レーベルで、このバンド自体プログレに分類されていることを初めて知った。え〜?
 確かに向こうじゃ古いロックはなんでもプログレ扱いで、Deep PurpleもLed Zeppelinもプログレと言われることは知ってるが、60年代〜70年代の「本当の」プログレをリアルタイムですべて聴いていた私に言わせれば、こういうのはプログレとは言わないぞ。だいたいプログレってまだあったんですか?(笑)
 そういや、Mansunもプログレと言われてさんざんバカにされてたなー。要するにガレージ・パンクじゃないバンドはみんなプログレ扱いされちゃうのかも。そういや、やたら長いインスト部分があって、やたら長いギターソロが入るところは確かにプログレと言えるかも(笑)。
 でももう何とでも言えだ。これがプログレなら、私は出来損ないのガレージ・パンクよりはやっぱりプログレのほうが好きだ。(実はプログレのことは「古い!」と言ってさんざんバカにしていた)

  で、今それを片っ端から聴いてるところだが、うむ、やっぱいい! 「MansunとSouthを混ぜ合わせたみたいなの」と書いたが、ちゃんと聴いてもやっぱり同じ印象。どういう風にいいかと言うと、前にLongviewのアルバムに付いてた惹句(それで私が違うと言ったやつ)―「壮大な心にしみいるロック・アンセム」とか、「叙事詩的なギター・ソウル」とか、「天に舞い上がるようなアンセム的インディー・ロック」―これがPineapple Thiefにはそっくりそのまま、ぴったり当てはまる。
 これだけで私はもう全面支持なのだが、それに加えて、愛らしい声! 私の好き嫌いはほとんどボーカルの声質で決定されると言っていいのだが、こういう声の人好きっ! かわいい声と言えば、DelaysとかMewがそうだが、ああいうのは私は「甘ったれ声」と言って嫌っている。(実はけっこう好きなんだけど) かわいいだけじゃなくて、なんというか、もうちょっと深みと大人っぽい色気がほしいんだよなー。その点、この人は完璧。声がSouthのJoelによく似ていて、そのせいでよけいSouthに似てるような気がする。
 彼のギターもいい。サステナーのかかった泣きのギター、これがMansunのChadに似ていて、Mansunに似てると思わせたところ。今どきこういうギターを弾くのはChadだけだと思っていたが、ちゃんといたんだなー。もちろんこれもプログレと言われる一因。アコースティック・ギターももちろん美しい。
 悲痛なメロディも、ドラマチックな盛り上がりも、とにかくすべていい。

 ほめてばっかりでもなんだから、残念な点も書いておこうか。あえて難癖付けるとすれば、やっぱりこれはLongviewやThirteen Sensesをロックじゃないと言ったのと同じ意味においてロックじゃない。そのせいか、特にプログレ色の強い曲が続くと、もうちょっとシャキッとした音楽が(The Musicとか)聴きたくなる。私の「無名バンド・コレクション」の中でも、私がいちばん大事にしているのはPuressenceだが、その理由は「こんなにまでも美しいのになおかつロックだ」ということに尽きる。
 とにかくこのバンドが無名な理由はよくわかった。まるっきり時代の流行とはかけ離れた音楽だもん。しかし、古いと言えばDead Can Danceなんかはるかに古いが(なにしろ中世音楽だから)、(少なくともStrangelove Recordsでは)Dead Can Danceは飛ぶように売れるんだが。

 もうひとつ残念なのはいかにもインディーってところ。インディーと言っても、最近のインディーはメジャーとどう違うんだ?って感じの豪勢なのが多いが、これはいかにも昔のインディーを思い出させる。
 唯一置いてるショップを見つけて注文したと書いたけど、CDを手にとってわかったのは、CyclopsというレーベルはこのGFTというレコード屋のショップ・レーベルだったのだ。この店のサイト自体、あまりに素人くさいヘボい作りなので、てっきりStrangelove Recordsみたいな素人ショップだと思ってた(笑)。メールの感じもそうだったし。
 ますますマイナー感が強まるが(笑)、そんなわけで、CDを手に取っただけでインディーって感じ。ブックレットなんて印刷も悪いしペラペラの紙だし、なんかブートレッグみたい。アートワークはけっこうきれいなんで惜しい。
 ジャケットの曲目が間違ってたり、マスタリング・ミスのあるCDが出回ってるというのもいかにも(笑)。
 お金のなさは音にも出ている。聴いててくやしいのは、これだけきれいな音はもっときれいな音で録ってあげればいいのに!ってこと。要するに、機材やスタジオやプロデュースにお金かけられないのがよくわかるんですわ。もちろんお金かければいい音楽ができるわけじゃないが、ハリウッド・メジャーと自主制作映画の違いと言えばわかってもらえるかな。特に、サウンド的によく似ているSouthがめちゃくちゃ音がいい(これは彼らのプロデューサーとしての才能の表れでもあって、それも好きなところ)ので、その違いが歴然。
 アレンジとかもいかにも稚拙な部分が目立つなあ。Bruceさんが(歌だけ嫌いな)Hope Of The Statesに入ってくれると私としては理想のバンドができるんだが(笑)。

 ちなみにルックスはと言うと、やけにみんなオヤジっぽい(笑)。キャリアも長いようだし、けっこうな年なのかも知れない。

 というわけで、ベストとは言わないまでも、期待通り。また集めなきゃならないバンドが増えてしまった(笑)。サウンドクリップはこちらのオフィシャルサイトで聴けますので興味のある方はどうぞ。日本のショップではほとんど手に入りませんので、お求めはStrangelove Recordsへ(笑)。

おまけ

 どうせならSouthも聴いてね。日本のSouthサイトHere On Inで、Joelが弾き語りでNew Orderの“Bizarre Love Triangle”をカバーしたビデオが見れます。声が好きという点ではBarnyもいちばん好きなシンガーのひとりなので、私は大感動。

もひとつおまけ

 Pineapple Thiefの新譜“10 Stories Down”の限定2枚組はオフィシャル・サイトでも発売前に売り切れになっていたことは前にも書いた。でもあきらめることを知らない私は、メールを書いてまだ手に入らないかと訊ねたのであった。そしたらちゃんと返事が来たばかりか、Bruce本人!からメールが来て、個人的に持ってるのを譲ってくれると言うのだ! なのにアホな私はそっちのメールにも間違えて“12 Stories Down”と書いてしまったのでした、ちゃんちゃん(笑)。
 あー、しかし、これがマイナーバンドの魅力だよなー。前にもPeter Coyle(Lotus Eaters)のCD注文したら、本人からメールとカードが来たって話書いたと思うけど。Mansunじゃ、あんなにあんなにいっぱい買ってもそんなことありえなかったもんなー。私が特に無名バンドに執着する気持ちおわかりいただけるでしょうか。
 そこですかさず、「日本じゃあなたのCDはほとんど手に入らない(アマゾンに注文したお客様も入手できなかったらしい)ので、うちで仕入れて売りたいんだけど、卸値で売ってもらえませんか?)と持ちかける。転んでもただでは起きない商売人(笑)。

2005年3月14日 月曜日

音楽の話いろいろ

 昨日はお友達のゆうこさんの家に遊びに行き、いろいろCDを聴く。別に自分の家でやってることと同じだが(笑)、音楽を商売にしている者にとっては、他の音楽ファンの考えや好みを知ることはとても大事なのだ。私みたいに引きこもってると、つい自分の考えで凝り固まっちゃうからね。
 もちろん私はPineapple Thief持参(笑)。でも彼女の意見も私と同じだった。ゆうこさんには私が買い漏らしていたCathal Coughlan(元Microdisney、Fatima Mansions、と言っても覚えている人がどれだけいるか?)のソロや、Tim Bowness(元No-Man、ってますます誰も知らない。でもStrangelove Recordsでは未だに売れるんです!)のソロを聴かせてもらう。
 うーん、どっちも心から愛したシンガーだし、ソロアルバムも音楽的質はものすごく高いんだが、やっぱりなんか地味〜。結局、バンド辞めてソロになった人って、どうしてもバンド・マイナスなんとかになっちゃって、私にはシンガー=ソングライター(がすごく嫌いなんです)にしか聞こえないという難点がある。
 私の見方では、今のところ、それをまぬがれているのはIan Brownぐらいなもの。(実を言うと新しいアルバムはまだ聴いてないんだけど。買っても開封する前に売れちゃうので) Brettはどうかなー。もっともTearsは「バンド」だし、Bernardとコミなんだから、ソロとは言えないが。でも昔の仲間とつるんで‥‥というのも失敗の原因なんで、あまり期待はしていない。
 ゆうこさんには私がパスしちゃってるアメリカものも聴かせてもらう。でもRaptureは最初聴いただけで、「あ、ごめん!」。やっぱダメだなー、私は。Lemon Jelly(おっとこれはイギリスだが、ダンスものも原則パスなので)はよくあるテクノにしか聞こえない。ダンスも原則Mowax以外はパス。でもレコード屋でちらっと聴いたMoby(この人は昔から好き)はやっぱりいいと思った。

 お話変わって、New Orderが復活というので興奮している。New Orderはこの20年近く、一度も失望させられることなく追いかけ続けているという、私としてはめずらしいバンドなのだが、前のアルバムがイマイチっつーか、イマニぐらいだったので、今回が正念場と思って心配もしている。
 とか言いつつ、実はもう“Krafty”の4曲入りCDは見つけて買っちゃったんだけど。これがまあ、なんというか、かわいらしいポップな曲で、「おやっ?」と思わせる。昔の荘厳で悲愴なNew Orderが好きだった私としては、ちょっと残念だが、未だに若々しいフレッシュな曲調はちょっと希望を持たせる。
 というか、この出だしのズンドコいうStephenドラムス、ブンブンいうHookyベース、そして(姿かたちは二目と見られないほど変わったが)声だけはいまだにまったく変わらず愛らしいBarneyの歌を聴いただけで、じーんとしてしまって(笑)。しかし、これだけ長い間やっていても、まったくうまくならない人たちっているんだなー(笑)。いや、これでもBarneyは少しはうまくなったというか、音痴でなくなったんだけど。
 しかし、これを日本語で歌うのか(笑)。なんかもう言語を絶するマヌケっぽい。

 またお話変わって、今日の届きもの。The Musicの“Breakin”CD-Rプロモ。これのCDプロモはまだeBayで負け続き、でもCD-Rは安いのでつい買ってしまった。もうCD-Rプロモまで集めるのはやめようと思ってたのに! eBayで3.95ポンド。
 Southの“Colours In Waves”CD-Rプロモ。Southみたいにほとんどブツが出回らないバンドは、CD-Rだろうがなんだろうが見たら即ゲット。これはいちおうちゃんとジャケット付いてるし。eBayで5ポンド。
 そして最大の目玉がPuressenceのブートレッグ。eBayで9.50ドル。
 私は個人(どうやらブートばかり大量に売ってるところを見ると業者らしいが)がコピーしたCD-Rブートなんか、絶対売らない買わない主義だったんですよー。でも、Puressenceみたいに死ぬほどライブ聴きたいのに、一度も見たことがないし、これから先も見られる可能性は極端に低いバンドはもうなりふりかまっていられない。しかも最新ライブ(と言っても2002年)で、地元Manchesterでのライブで、ミキシングデスク・ダイレクトの高音質で、60分となれば、何がなんでもゲット!
 これがもうレーベルもなく、ジャケットもなく、ほんとにただのCD-Rだけというしろもの。おまけに確かに音質はいいんだが、ミキシングが変で(バスドラの音だけがやけにでかく、ボーカルとギターは遠くで鳴ってる)むちゃくちゃ聞きづらいし、フェードインで曲の途中からいきなり始まるといういい加減な作りのブートなのだが、それでもなお! すばらしい!

 PuressenceのライブはMP3とかでポチポチ聴いてはいたんだが、本当にこんなに良かったなんて! まさに王者の貫禄、というのはManicsのリビューに使ったセリフだが、それを言ったらPuressenceだってそうだ。特にボーカルのJamesは高い澄んだ声の持ち主なので、CDで聴くとずいぶん繊細なイメージだが、実は太い(体も声も)というのは知ってたんだが、本当にすばらしい。ManicsのJamesもそうだが、こういうしっかり歌える人好きだなあ。
 アレンジもレコードとはかなり違っていて、これも私の考える良いライブバンドの条件。とにかくレコード通りきっちり演奏して終わりというインディーにはうんざりなので。それもレコード以上にダイナミックでドラマチックで神々しい音で、こんな質の悪いブートで聴いてこれだから、本物はこれの10倍いいのは保証付き。
 やっぱりこのバンドは死んでも見なくちゃだめだ。今度のツアーの時は何がなんでもイギリスまで行って聴こう。ただ、その「今度」が5年先になるか、10年先になるかっていうのがつらいところなんだが(笑)。 

2005年3月17日 木曜日

 この日記は月が変わるごとにページを新しくする(そして古いのから削除する)ことにしているのに、17日になるまで月が変わったことに気付かなかった(笑)。というあたり、あいかわらず廃人同様のじゅんこです。

 趣味を商売にしていると、けじめを付けるのがむずかしい。具体的に言うと私の場合、買ったものを売るべきか自分のコレクションに加えるべきかという悩み。ほんとは悩んでる余地なんかないんですけどねえ、金銭的にもスペース的にも。特に金銭より先にスペースがピンチになっちゃって、もううちは足の踏み場もなく、とにかく場所がなくてあらゆる隙間にCDやレコードが突っ込んであるから、注文があってもCD1枚捜すのに何時間もかかるんでは、まるで採算合わない!

 とか言いつつ、今日もまたコレクションを増やしてしまった。届きものはPuressenceの“Planet Helpless”オーストラリア盤。「もう各国盤集めはやめる」と宣言したのに、やっぱりPuressenceみたいな特別なバンドは別だ。ただ、オーストラリア盤ならボーナストラックとかのおまけがあるかと思って買ったのに、Made in Australiaの文字以外何も違わない(苦笑)。ああ、あと、レーベル面の文字色が違うけど(笑)。

 一方国内で発見したのはDJ ShadowのCDシングル“In/Flux”。Mowaxものはもう見ただけでなんであれ買い込んでるのだが、これもそんな調子で買って、今日あらためてじっくり見たら、1993年の発売で、これはMowaxとしては最も初期のリリースじゃないか? もしかしてこれって激レア?
 さっそくGEMMとMusicstackで価格調べ。12インチはたくさん出てるが、CDシングルは1枚もない。(もちろんCDのほうがレアなのである) その12インチも2万円前後。ほほー。それで私はいくらで買ったかというと、600円(笑)。ダンスショップで、それもMowaxのコーナーのある店で買ったんだから、価値知らないわけないと思うんだけどねえ。
 一時は本当にこの人に食べさせてもらっていた私としては、これを売らなくてどうする!って感じだが、こういうのに限って売れないんだよねえ。実はMowaxで本気に集めてるのはUNKLEだけなのだが、いちおうレアものに限っては「取っておく」ことにしている。
 むろん単なる欲もあるが、実はこれがけっこう宣伝になるから(笑)。つまりお店に置けばすぐに売れてなくなってしまうわけよ。でも「私のコレクション」として並べておけば、けっこう見に来てくれる人がいて、その人たちがお客として来店してくれる可能性も高まるわけ。
 うちのお客様もほとんどの人は純粋な音楽ファンだが、Mowaxに限ってはガチガチのコレクターばかり。それで私としてもコレクター心理を衝く販売戦略を考えてるわけ。コレクター心理その1――人が持ってて自分が持ってないものは欲しくなる。そこで自分の持ち物を見せびらかして購買意欲をあおる(笑)。コレクター心理その2――レア盤持ってる人を尊敬する(笑)。私のMowaxコレクションなんてぜんぜんたいしたことないと思うのだが、なぜかそれでも尊敬してくれる人が多くて、それがお店の箔付けになってることに最近気が付いた。それだけで信頼してくれたり、親近感もってくれるのよね。それに同じコレクター同士だと、話がはずんでお客さんと仲良くなれるし。

 eBayではKasabianに大量に入札してはほとんど負けている。いや、自分のコレクションはもうほとんどあきらめてるので、これはお客様の頼まれもの。しかし入札しながら、本当にKasabianは高いのに驚いている。なのに、「どうせそのうち値段下がりますから」なんて安請け合いしちゃったよ。
 というのも、Kasabianのレア盤と言われるものは、eBayにこれだけジャンジャン出るところを見ると決してレアではないのだ。単に需要が供給を上回っているから高いだけ。それにしてももうそろそろ冷めると思ってたんだがなあ。これでは冷めるどころか、将来は手が届かない値段になる可能性も。
 コレクターとして私が学んだ教訓に、「集めるならファーストのうち」というのがある。デビューしたてならまだ値段もそんなに高くないし、将来大物になってからでは買えないこともあるから。でも最近のバンドにはこの原則が当てはまらなくなってきた。ほんとにシングル数枚出しただけの新人にとんでもない値段がつくんだもん。
 Kasabianの値上がりは私も見越していて、だから、10インチはお店用に余分に買ってあったのだ。ただし1枚だけ(笑)。ビニールシングルなんていちばん売れないものなので、私としてはそれでも冒険だったのよ。ところがClub Footの10インチを4000円で売ってるショップがある! 海外の値段も2000円ぐらいだ。こんなことなら何十枚って買っておくんだった! もちろん今からそれをやっても遅い。

 しかしKasabianは内外の価格が連動しているからまだわかる。どうしてもわからないのはMowaxの内外の価格差、っていうか、他店とStrangelove Recordsの温度差だよなあ。向こうは本当のプロなんだから、値段だってシビアに付けてるに違いないのに、なんでよそでは売れずに、うちではその何倍もの価格で飛ぶように売れる? まあ、それだけ私がコレクター=ディーラーとして信頼されているということにしておきましょう(笑)。
 そういや、「これが売れなかったら大損害」と思いながら2万円で仕入れたBapeのUNKLEスニーカーはやっとのことで2足とも売れた。海外ならこれが3万でも超安いはずと思って売ってたんだけど、さすがにこれだけの高額商品は動きが鈍い。諸経費がかかるので、儲けは1万円もないし、問い合わせだけは多いから、それに費やした時間を考えるとやっぱりあんまりおいしくなかった。だいたい、これすごく気に入っていて、自分では履けなくても(メンズサイズだし)持ってるだけでうれしかったのに、なくなってすごく残念。やっぱり1足は売らずに置いとくべきだったかなー。とか言ってるから儲からないんだってば!(笑)
 でもふと思うんだけど、1万円札なんてあってもスーパーでちょっと日用品の買い物しただけでなくなっちゃうんだから、物で持ってたほうがいいなあなんて。こういう考え方をする人は絶対お金は貯まらない(笑)。

2005年3月20日 日曜日

旅行のはなし

 愛知万博が始まりますねえ。万博と聞くと、私はちょっとノスタルジックな気持ちになってしまう。と言うのも、大阪万博の体験者だから。大阪万博には二度行った。一度は夏休みに母に連れられて、一度は中学の団体旅行で。
 今にして思うと、あれが日本人にとってどんな大イベントだったかということに驚く。だって、修学旅行とかそういうんじゃなくて、しかもぜいたくな私立じゃない貧乏な公立中学で、全校生徒連れて泊まりがけで(当時の子供は乗ったことがあるだけで威張れた)新幹線で大阪まで行ったんだから。ちなみに同じく一大イベントだった東京オリンピックの時は小学生だったが、毎日1時間、授業をつぶしてテレビでオリンピック中継を見せられた。もちろんこっちは東京だったから近所総出で見物(お金がかからないマラソンとか)にも行ったけど。もうこんなふうに全国民が一丸となって熱中するような行事ってないなー。

 そこで万博の思い出など書こうと思ったのだが、実は何ひとつ覚えていない(笑)。いくら記憶力ゼロ人間とはいえ、中学生だからもう十分分別のある年だったのに! 二度も行って、ほとんど全パビリオンを踏破したにもかかわらず(それも炎天下で3時間並んで)、なーんも記憶にない。今になって当時の写真を見て、「へー、さすが高度成長時代、すごかったんだなー」と感心しているぐらい(笑)。
 やっぱり中学生にとって最大の関心事は学校の友達や先生たち(と好きな男の子)のことで、そういうことは鮮明に覚えているのに、旅行の記憶はゼロ。それ以外で強烈に記憶に焼き付いているのは、音楽と映画『イエロー・サブマリン』と『ウッドストック』というあたり、現在につながるが。でも今も昔も旅行も大好きだったのに!

 だから子供を旅行に連れて行っても無意味だと思うんだよね。もっと小さいと「移動した」という意識すらない。幼児のころ生まれて初めて飛行機で北海道へ行ったが、私は「バスに乗っておうち帰る!」と泣いたそうだ(笑)。当時の日本人としては飛行機に乗るというだけでも一大イベントだったのに、それすらわかってない。(実は北海道のおじいちゃんが危篤だというので、やむにやまれぬ選択だったのだ)
 母は旅行好きで、苦しい家計の中から、毎年私と弟を旅行に連れて行ってくれた。それも、今の私の資力ではとうてい泊まれない(トホホ)一流旅館ばかり。なのにそういう家族旅行で、私がいちばん楽しみにしていて鮮明に覚えているのは、当時の旅館の娯楽室によくあったピンボールとパチンコ(無料で、そのかわり景品は出ない)とプールだけ。ゲーム好きもすでに運命づけられていたことがよくわかるが、ほんとに無意味(笑)。名所旧跡も土地の名物料理もなーんも記憶なし。
 ほんと母には申し訳なかったと思っている。万博のときなんか、なにしろ日本民族大移動だったから、泊まる場所の手配も容易でなく、母は知り合いのつてをたどって、民宿ですらない、民家が臨時でやってる宿(しかも足元を見てバカ高い)をどうにかこうにか確保したのに。と、本当にどうでもいいようなことばかりよく覚えてるんだよなー(笑)。まあ、母は自分が旅行に行きたいだけで、子供はダシに使われたという気もするが。

 最近は小さい子を海外旅行に連れて行く人も多いが、そんなわけで、私はお金をドブに捨てるようなものだと思う。どんな絶景や奇観を前にしても、子供が熱中して見ているのは地面のアリンコだったりするんだから(笑)。いや、それどころか百害あって一利なし。子供を旅行に連れて行くのは、親の側に「勉強にもなって一石二鳥」という意識があるんだろうが、別に勉強にもならないし、(毎年夏休みの宿題には、旅行に行った先のスクラップブックを作って提出したのだが、いまだに日本地理に極端にうとい)、病気や事故や災害やテロの危険性は国内とはくらべものにならないからね。親が行きたいなら、子供は田舎のおじいちゃんちにでも預けていったほうが、よっぽどためになるし、いい思い出になると思う。
 万博の思い出について書くつもりが、なんか変な話になってしまった(笑)。


『指輪物語』のやおいのはなし

 LOTRのアート(『指輪物語』を題材にした絵の写真を集めてるんです)を捜してウェブをブラウズしていたら、変なものを発見したのでご報告。ここなんだが、最初はホームページの注意書きを読まず、ただのファンアートだと思って入った。でも見ているうちに、れれれ? 確かにLOTRには違いないんだが、フロドとサム、アラゴルンとボロミアなど、主要登場人物(映画版キャスト)が裸でからみあうエロチックな絵ばかり。なんと、これはゲイ・サイトなのであった。うーむ、こういうのもやおいって言うんだろうか?(笑) だよなあ。
 CGを使った写真と見まがうばかりのリアルな絵なのだが、この絵が実にうまくて、しかもアートとしてもクオリティがむちゃくちゃ高い。エロチックと言っても、下品なのや露骨な表現はないし。これだけ描けるなら、何もこういうんじゃなくて、普通の絵描けばいいのに(笑)、とよけいなお世話ながら思ってしまう。
 まじめなファンはこれ見たら怒るかもしれないが、実はこの物語の原作はもともとゲイ的な雰囲気が濃厚、というのは私も感じていて、それは今書いてるLOTR論にも書いたのだが、まさにそれの裏付けというか。
 しかし微妙に私の解釈と違うなあ(笑)。ボロミアとファラミアの兄弟ホモとかいうのはすごくわかるが、エルロンドとレゴラスのからみは(少なくとも映画版では)勘弁してほしいし(笑)。だいたいガンダルフが1枚しかないし、サルーマンが1枚もない! あの映画はジジイがいいのに! 女は出ないのかと思ったら、アルウェンとエオウィンはちゃんとレズシーンを演じる(笑)。ありえねー!
 え? 私の好みですか? そりゃ恥ずかしくてはっきりとは書けないが、オークに強姦されるフロドとか(オークにつかまって何もされないなんてありえないもんね)、ガンダルフとバルログ(何だ、そりゃー!)とか(笑)。

2005年3月21日 月曜日

 ふあー、ねむい。というわけで、3月は何かと忙しい。大学のほうの新学期の準備もしなくちゃならないのにまだ何もしてないし、確定申告もまだ行ってないし。

 でも今日も眠い目をこすりながら渋谷へ買い出しに。そして例によって死ぬほど重い荷物を引きずって帰った。もっとも重いのはもっぱら自分の買い物のせいだけど(笑)。買ったのはHeadzというMowaxの4枚組LPボックスセット。これはUNKLEコレクターとしては当然ながら持ってなくちゃならないボックスなのだが、なにせ高いので値段が下がるのを待っていたのだ。けっこうどこの店にもあるわりには、売れてる気配がないもんだから。昔は1万円ぐらいしてたのが、状態のいいのが5600円で売ってるのを見つけたので、この辺が底値だと思って。実際、今もeBayに1つ出てるが、開始価格が5000円でちゃんと入札者いるし。(これを日本から買えば送料だけで3000円はかかる) くやしいのはこのボックスは2種類出てるのだが、もう1箱は売れてしまったと聞いたこと。まあ、あれもそのうち買うからいいや。
 5000円を超える買い物は私には痛いのだが、Mowaxはもう「資産」だと思っている(笑)。いつでも買値以上の値段で売れるのは確実な数少ない商品だから。もちろんもう1箱手に入れるまでは売らないけどね。
 Strangelove Recordsではダンス系のアナログはMowax以外、置かないことにしている。というのも、ダンス系のレコードというのは、「発売後1か月たったらただのゴミ」というのがあまりにも多いからだ。それにくらべるとまだロックのほうが価値が下がらない。それを避けるにはよほどの商品知識と、(売れるものを聞き分ける)よほどの耳がなくてはならないが、私はどっちもないのであきらめてるわけ。実はダンス系のほうがレア盤はロックより値段が高いのは知ってるんだけどねえ。
 その点、Mowaxはそのダンス音痴の私でもいいと思ったから、集め始めたわけだけど。しかし、うちのお客さんにはもうすべて行き渡ったと思っていると、また新しいファンが一から集め始めるのがすごい。UNKLEなんてこの10年に2枚しかアルバム出してないのに、どんどん新しいファンが増えてるんだからねえ。(人気の消長が激しく、2年もアルバム出さなかったら忘れ去られる)ロックでは、なかなかこういうバンドはないなあ。

 そういえば、今日は5万円を超えるMowax商品を注文してきたお客さんがいて困っている。喜んでいいはずだが、実はこういう大量注文は冷やかしのことが多いのよ。いや、ご本人はぜんぜん悪気はなくて、要するにずっと捜していたのにどこにもなくて、Strangelove Recordsに揃ってるのを見て喜んで注文してくれるのだが、日本からの送料(それも重たいビニール盤ばっかり)がいくらかかるか考えてないのよね。
 だから、そういうお客さんにはとにかく頭を冷やしてよく考えるように説得する(笑)。いや、ほんとにポンと払ってくれる客ならいいんだけど、あいにくうちのお客さんはそれほどリッチじゃない、っていうか、アメリカあたりには若くても大金持ちの人はたくさんいるだろうけど、そういう人たちはうちで買い物するほど音楽の趣味が良くない(笑)。
 それで何度も何度もメールのやりとりしているうちに、相手も冷静になってきて、メール書きだけで何時間もかけたわりには結局売れるのは数千円だったりする(笑)。私もバカ正直すぎるよねえ。プロなら費用がいくらかかろうが、請求書だけ送りつけて知らん顔してればいいのに。でも根がコレクター(で貧乏でケチ)なだけに、つい買う人の立場になって考えずにはいられないのだ。このせいで儲からないのはわかってるんだけど、でもお客さんの喜ぶ顔が見られるほうがずっといい。

 ヤフオクではあいかわらずときどき「不要品」を売っている。今回はDerek Jarmanのビデオ3本を出した。Derek Jarmanは今でも好きだが、映画はぜんぜんコレクターでないので、DVDがあればいいやと思って。うち2本はDVDも出てるやつだし、いまどきビデオテープなんか1000円でも売れないと思ってたら、3本とも完売。しかもちゃんと競り合いになった。つくづく、映画は音楽よりファン層が厚いなあと思ってしまう。

 今日の届きもの。自分用に買ったのはThe MusicのプロモCD2枚とTravisの新しいシングルのプロモ1枚。The Musicの“Welcome To The North”からのシングルはいわゆる「ちゃんとしたプロモ」(市販品とは別のピクチャー・スリーブ入りの)はないんだと思っていた。私はずっとeBayを見張ってるが、見るのは文字やロゴだけのやつしかなかったから。ところが、それがちゃんとあったばかりか、日本でしか売ってないというのはなんでだ!? しかも日本盤プロモかと思ったら、ちゃんと英国盤で、Peter Savilleのオリジナルジャケ付き。わけわからん。
 とにかくうれしいので、またDavidに自慢しようと思ったが、彼もお客さんなので、お客さんに自慢ばっかりというのもなんだなと思ってやめた(笑)。

2005年3月22日 火曜日

 あああ、またダメージ! 私にとってダメージなのはもっぱらお金が出ていくことですが(笑)。発端は昨夜仕事部屋(兼居間)の照明が壊れてしまったこと。もう何10年って使ってるやつだし、どうせ暗くて困ってたので、さっそく今日、隣のサトームセンに行って新しいのを買ってきた。
 暗いのも当然。私が(音楽以外の)買い物をするときは、店にある中でいちばん安いやつしか買わないから。でも考えてみたら、照明器具なんて何10年と使えるものだし、まして今はほとんどこの部屋で生活している。仕事柄、夜中に細かい字を読む(なにしろお客さんもコレクターなので、CDの裏のちっちゃなクレジットまで気にする)ことも多いし、年のせいか目が弱ってすごく見えにくくて困っていたのだ。
 そこで私としては大英断で、前からほしかった光量無段階調節の天井灯のうち、店にあったいちばん高いの!を買ってきた。そしてさっそく付けようとしたところ、取り付け器具が古すぎて付かない!
 ううう‥‥自分の家持ってる人ならわかると思うけど、家が古いと、なんか壊れたときのメンテナンスにものすごいお金が出ていくのよね。結局、電気屋に工事に来てもらうことになる。それもあさってで、それまで電気なし!
 というわけで、今も暗闇でこれを書いてます。ふと思ったのは、「ブラインド・タイプができて良かった!」(笑)
 でも昨日のMowaxのお客さんが、「金に糸目は付けない。全部買う!」と言ってるのに、暗闇ではCDが捜せない。とほほ‥‥。
 こういう不意の出費があると、その日暮らしの我が家では1週間ぐらい貧しい食事が続くことになる。今夜の夕食もおにぎりとみそ汁だけ。こんなに貧しい食生活してるのに、なんでちっとも痩せないんだ!というのも、とほほ。

 これで終わるのもなんだから、景気のいい(?)話も。1ポンドでスタートしたPuressenceのセカンド・シングルのプロモがeBayで9100円。私の持ってないPuressenceはほとんどないから、もちろん見てたんだが、見てるだけ(笑)。でもこれだけの無名バンドでも、それだけ愛している人たちがいるんだと思うと、それだけで幸せ。

2005年3月24日 木曜日

商売のはなし、その他

 「どうせ冷やかしだろう」なんて失礼なことを言っていたMowax4万5千円ぶんのご注文、売れました。なにしろボックスセットや限定盤ばかりのでっかい荷物だから、送料入れたら(大幅値引きにもかかわらず)5万円になってしまったのに、ポンと払ってくれた。これは、これまでうちで売れた最大のお買い上げ。やっぱりお客様は神様です〜!
 しかも買い手は女の子。これもびっくり。Mowaxの注文は99.99%まで男性だから、てっきり男だと思ってた。もっとも私自身も同じ理由で男だと思われてるが。
 しかし世の中にはお金持ちがいるんだなー。と書いてからふと思ったが、私だって勤めてたころはボーナス100万円もらってたんだから、そのほんの一部を出すだけか。(なのにいつでも貧乏だったのは、バブルの頃にマンションなんか買ってしまったせいである)
 とにかく儲かって大喜びかというと、そうでもない(笑)。せっかく苦労してかき集めたMowaxの在庫がまたなくなってしまったよー、という悲しみと、ちょうど釣り合いが取れるぐらい。だって、「5万円やるから今からこれだけ集めてこい」と言われたとしたら、たぶん断るっていうか、「無理です〜!」と言うに違いないもん。
 やっぱりレコードは安いなあ。本心を言うと、うちの商品なんて10倍の値段付けたいっす。それじゃ絶対売れないからしないけど(笑)。やっぱり好きでなければやってられない商売です。どういうところが好きかというと、売れた喜びよりも、商品を箱に詰めながら、「これは文字通り宝箱だなー。開けた人はすごく幸せな気分になれるだろうなあ」と考えて、受け取ったお客さんの顔を想像したとき。ささやかながら、人を幸せにできるのって、すごい幸せじゃない?(そのうえ、お金ももらえるし)

 New Orderの新譜が出た。私はもちろん大量に予約してあるが、例によって売り物なので聴けない(笑)。なんでそうなるのか不思議に思ってる人もいるでしょうが、新譜日本盤は売ってもたいした儲けにならないうえ、返品できない高価な在庫の山を抱えるのは私にとっては大きな痛手なので、リスクをぎりぎりまで抑えるためにやむをえないんです。
 でも店にいるとき、流れていたので一部聴いてしまった。これだけで判断するのは禁物だが、やっぱり“Krafty”を聴いたときの印象と同じっていうか、すごくポップでかわいらしくて軽くてナイーブな音。それはそれでけっこうなんだが、成長しないやつらだなあ。やっぱりElectronicのほうがぜんぜんいいや。Electronic再結成してくれないかなーとか、つい考えてしまう。

 このスリーブは当然またPeter Savilleだと思うが、白地にオレンジ色のNoという文字が浮かんだだけの超シンプルなもの。Peterさん、手抜きじゃない? 彼はロゴひとつでも天才的で、“Low Life”のNew Orderロゴなんて、うっとりするほどすばらしかったのに。The Musicの一連のアートワークのほうがこれよりはまだお金かかってる。いちばんの恩人のNew Orderでこれはないんじゃない?

 とにかく売らねばと、eBayに出す。見ると、一足早く日本人セラーが$29.98で出してるな。それじゃ私は$9.99でいいや。というのも、私がeBayで売るのはもっぱら店の宣伝のため。宣伝費だと思ってるから、べつに1枚ぐらいただであげてもいいの。だから、こういう私の主力アーティストの新譜が出たときは必ず出すようにしてるんだけど、そしたら一晩で4入札! こんなの大手通販ショップならどこでも買えるのに不思議。

 最近の掘り出し物、っていうか、個人的に感動したのは、どうやらコレクターが売ったらしい大量の80年代初期英国ポップの12インチを発見したこと。あいにくレアって言えるものは1枚もないし、今となっては「誰それ?」的なバンドも多いけど、あの当時、日本で輸入12インチ・シングルなんて売ってるショップは東京にも数えるほどしかなくて(Ciscoとか)、しかもバカ高かった(LPとほとんど変わらない値段だった)ことを思うと、個人的にはすごいレア感がある。
 そこで、自分用にはAssociatesを何枚かと、売れるかどうかはわからないけど、中古でもめったに見ないと思ってDuran Duranのリミックス12インチを何枚か買ってきた。Associatesはもしかしてすでに持ってるかもしれないけど、私のはどうせ古くてボロボロなのに、これは新品同様だったから差し替えのつもり。
 っていうか、どのレコードも一度も聴いた形跡がないし、1枚1枚内袋に入れてあるし、こういうのはやっぱりコレクターの所持品でしょう(笑)。とにかく大事にされていたレコードを見ると気持ちがいい。


 お話変わって、とうとううちにも電気が来ました! って、いつの時代の話だか(笑)。とにかく3晩暗闇で懐中電灯片手に仕事するのはつらかったよー。

 それで今日、工事の人が来たのだが、工事の内容はと言うと、ネジを2本ゆるめて、余分な金具を外しただけ! ひえー! それで工賃4000円だって言うから、泣きそうになって、「そんなことなら自分でできたのに! 『配線器具の交換が必要』って取説に書いてあったから、そのつもりで頼んだのに! 部品代かかってないんだから、そのぶん安くできるはずなのに!」とわめきちらしたら、かわいそうに思ったのか3000円に負けてくれた。しかし、ネジ2本まわして3000円かよ。いい商売だなー。

 しかし、さすが100形は明るい。お日様みたいだー。普段はまぶしすぎるので、省エネも兼ねて絞ってあるけど。無段階連続調光だからして、光量も自由に調整できるのよね。なら、なんでそんなでかいのにしたかというと、大は小を兼ねるからだ。パソコンの修理屋さん(弟)も暗いと文句言ってたが、これなら文句なかろう。

2005年3月28日 月曜日

人の買い物を見て勝手なことを言う

 日曜日は渋谷にKasabianの“Club Foot”再発盤シングルを買いに行った。が、CDはすでにHMVに注文してあったのを忘れていた。そこで10インチだけ買い、ついでだからと言って、“Krafty”の12インチも買って、家に帰ったらすでに持ってることに気付いた。げー! ビニール・シングル、それもNew Orderみたいなメジャーバンドはいちばん売れないものなのに!

 でもKasabianの10インチはいつ見てもうれしい。今度は白か。だんだん色がなくなってきたが、このあとはどうするんだろう? でもビニール盤は毎回工夫を凝らしてくれるのがうれしい。今回は穴あきスリーブ。しかし、前も書いたが、ちょっと前に出たばかりの“Club Foot”をまた出すとは、儲かるうちにとことん儲ける魂胆だな。商売としてはその考えは正しいが、ファンとしては、新曲1曲ぐらい録音せい!という感じ。なんか山ほどレコード出てるわりに曲数が少ないので(笑)、作曲能力に難があるんでは?という不安もある。

 しかし、私の不安とは裏腹に、Kasabianの値段は天井知らずに上がっていて、人気はいっこうに衰える様子はない。DavidがeBayでデビュー10インチが155ポンド(3万円超)してたと報告してきた。どうかしてるよー、ほんとに!
 と言うのも、私は「The Musicのほうが百倍いい」と信じてるから。なのに、eBayに原価割れで出した日本盤はまだ1入札。他のもみんな安い。くくく‥‥。とにかく、「中古市場にはすぐにKasabianがあふれかえるだろう」という私の予想は外れそうだ。

 実はKasabianでいちばん心配なのは、アメリカで売れるんじゃないかということ。いや、eBayでの高騰を見てると、とっくにアメリカでも火がついてるようだが。アメリカ人のお客はヨーロッパを全部合わせたのに匹敵するので、商売人としては大変けっこうなことなのだが、私の長い経験から言って、アメリカで成功した(あるいはアメリカに拠点を移した)イギリスのバンドは、絶対ろくなことにはならないのだ。それも単にあっという間に飽きられて捨てられるだけでなく、なんかみじめったらしい末路を迎えることが多い。
 Jesus Jonesがそうだったよねー。私は大好きだったのだが、アグレッシブなダンス・オリエンテドのロックバンドというところも、ルックスがかっこいいというところも似ているので、よけいいやな予感がしている。Jesus JonesはそれこそKasabian並みの華々しいデビューを飾って、もちろん日本でもすごい人気があったのだが、アメリカチャートのNo.1を取ったとたん、急転下の下降。まだ現役なのに、どこにいるのか誰も知らないような感じだし、今じゃ、どこのショップでも100円で売られている。(うちが値段を下げないのは意地である。こういうのは20年後にレアになるかもしれないと思って) 本当に実力と才能のあるバンドだっただけにくやしくてならない。

 アメリカで売れると言えば、うちで商売になるのは4ADとMowaxだけなんだけど、その理由はまんべんなく世界各国で売れるからだ。アメリカ・ヨーロッパ・日本は当然としても、南米や中国からも注文が来るのに驚いてしまう。(ほかはまあ、ほとんど英国人ばっかり)
 だから私も生活かかってることだし、売れるものだけ売る方がいいかなあと思うこともあるんだけど、未だに、Frazier ChorusやFlowered Upを買ってくれるお客さんがいると、やっぱりこの喜びには替えられないと思う。

 ところでこないだ、レコード・コレクターの本を買ったと言ったでしょ。アメリカのコレクターの話だから、当然出てくるレコードもアメリカもの主体なんだが、その中で「私のジャンル」と言える唯一のバンドがCocteau Twins。こういう本にいきなり名前が出てくるだけでもびっくりしてしまう。アメリカ人の好みとは思えないんだけどなあ。レコード・コレクターの好みではあるんだなあ。
 そのCocteau Twinsの再発盤の日本盤プロモCD-Rが6枚まとめてヤフオクに出ていた。私は当然ウォッチしていたんだけど、日本一のCocteausコレクターのフナヤマさんに「これは入札しますからね!」と釘を刺されていたので見てるだけ(笑)。はいはい、私はお客さんや友達と競り合ったりはしませんよ。で、やっぱりフナヤマさんが獲得したが、最終価格は13500円! この手のプロモっていちばん売れないものなんだけど(CD-Rだし、ジャケットは白地に文字だけだし)、やっぱりCocteausはすごいなあ。それもeBayみたく何10入札ならまだしも、3人だけでこの値段だもん。

 関係ないが、私はライブドアの堀江さんがなんであんなに嫌われるのか、まだよくわからないんだけど、もしかして彼のしていることって、私がこれを10万円でスナイプして、フナヤマさんに12万円で売りつけるようなものですか?(笑) 違うか? でも本当に商売で儲けようと思ったらそれぐらいしないとダメなんだろうな。
 堀江さんは「金で買えないものはない」なんて豪語しているけど、もちろん金で買えないものはたくさんある。たとえば信頼とか。そんなことがわからないほど頭悪いとは思えないので、それはつまり「金で買えないものは欲しくない」ということだろう。それまたひとつの人生だが、なんかそんな人生はいやだなあ。 

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