2006年3月の日記

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2006年3月3日 金曜日

 あれー、もう3月かい。せっかくの冬が終わってしまう!(暑いの嫌い嫌い嫌い!) とはいえ、毎日冷たい雨が降り続き、去りゆく冬の名残りを惜しむ毎日である。なんか普通と逆?

 しかしなんかザワザワと忙しい。と言っても、まったくお金にならない忙しさなんだが。大学の仕事は今がいちばん暇なはずだが、来年は新科目を担当するので、その教材捜しとか、授業計画を立てたりとか、シラバスを書いたりとか。これであの給料では絶対割に合わない!
 そういや、確定申告を書いたところなのだが、昨年度はあまりの収入の少なさに自分でも笑っちゃいましたね。年収150万でやってますから、私。でも同レベルの自由業者の友人は、経費を入れると収入ゼロになるので、税金なんか払ったことがないと言う。私はこれでも給与生活者なので、税金はしっかり取られるのが納得がいかない。

 それ以外の時間はもっぱらゲーム(笑)。シムピープルというのはおそろしく時間を取るゲームなので、こういうときでないと集中してできないから。おまけにシムズ2(3D版)まで買ってしまって、遊んでる場合じゃないってのに! おまけに買ったあとで、ビデオカードが対応していないことに気付く。
 ビデオカードを買い換えればいいのだが、他のパーツもなんかもう古いし、いっそ弟にもう1台、ハイスペックのゲーム専用機を作らせて、仕事用と遊び用を分けようと思い立つ。そしたら予算10万だって! ひえー! でも私はパソコンが命綱で、これが故障したらアウトだから、サブマシンは必要なのだ。とか理屈を付けてるが(笑)、実質のところ遊びに10万は痛いなあ。

 他に大きい買い物(と言っても、私の場合数千円だが)は、GremlinsのDVD。ほら、先月フィギュアを買ったって言ったでしょ? そしたらまた映画を見たくなって、手持ちのLD2枚を見ていたら、やっぱりDVDもほしくなって。LDにも未公開シーンとかは付いてたのだが、DVDにはあのオーディオ・コメンタリーってやつがあるじゃない。こういう、仲間内で遊びながら作っている映画はコメンタリーがおもしろいんだ。
 今は廉価版が1枚2500円で出てるが、賢い消費者のつもりの私はヤフオクで安いのを捜す。そしたらグレムリン(モホーク)のフィギュア付きの限定盤が3000円(定価6800円)で出てるじゃない。私はムクムクのモグワイのほうが好きで、グレムリンのフィギュアはべつにほしくないのだが、コレクター根性が顔を出し、どうしてもほしくなってしまう。競ってくる人がいて、3700円で落札したが、それでもDVDだけ5000円で買うことを思えば安い。いや、実はユニオンで1枚1000円で売ってるのだが、それでもこのフィギュアが1700円と思えば安い。
 とホクホクしていたのだが、届いてさっそくオーディオ・コメンタリーを見ていたら、なんと途中でフリーズしてしまう。うちのDVDウォークマンも相当ボロいので、てっきり機械の故障だと思ってパソコンで見ても同じ。そこでセラーにDVD1枚だけ返品できないか持ちかける。いちおう返送して、そちらのプレイヤーでも同じ症状が出たら、1000円だけ返金してもらえないかと。
 DVDそのものは今売ってるやつと同じなので、その1000円でユニオンから買おうという魂胆である。なんか虫のいい条件なのに、快く承諾してもらった。いい人だ。
 ところでこのフィギュア、はじめはいらないと思ったが、見るとやっぱりかわいいなあ(笑)。考えてみたら、私はムクムクのかわいいもの同様、ゴツゴツした爬虫類も好きだったんだ(笑)。でもブリスターパックに入っていて、未開封なので(取り出すには箱を破らないとならない)、出してなで回せないのが残念(笑)。

2006年3月13日 月曜日

 お店のカタログの更新に疲れたので、日記でも書こうと思い、ちょうどレコードの整理をしているうちに、自分用に買ったCDもあれこれ「発掘」したことでもあるし、レコード評をやろうと思ったけど、音楽について書くのは、私としてはけっこうエネルギーを使うことなので、やめて書評を書く(笑)。

書評
Passage by Connie Willis (『航路』 コニー・ウィリス ヴィレッジ・ブックス)

 これはだいぶ前に読んだのだが、これだけおもしろい小説は、なんらかの形で紹介しなければと、ずっと思っていた。

 Connie Willisはアメリカの女性SF作家で、当時のSF界は女流の全盛期だったし、当然ながら私は、彼女が80年代初めにデビューしてすぐに短編集を読んだのだけど、それほど感銘は受けなかった。なにしろ当時の女流のSF作家というと、異様なぐらい頭の良さそうな、異常にインパクトの強い人が多かったので、その中ではわりと娯楽路線の普通の作家だなあと思って。
 その後、92年の大作(タイムトラベル・テーマ)“Doomsday Book”も読んだけど、これがまた長いだけで、なんかピンと来ない小説だった。SF人気の凋落とともに、ノンSFへ向かう作家が多い中で、彼女もSFから離れてきてる感じだったし、ラブストーリーみたいなのも書いてるとか聞いて、「うえー」と思っていた。
 そんなわけで、私の中では完全に終わった人に分類されていたのだが、この本を手に取ったのは、単に電車の中で読むものがなかったからである。
 で、読んで驚いた。これは本当におもしろい! 真のページ・ターナーで、先がまったく読めないものだから、文庫で1400ページぐらいある分厚い本を一気に読んでしまった。(そういう話だから、今回はなるべくネタバレはなしで行くね)

 これは完全なSFではなく、ホラーのようでもあり、ミステリのようでもあり、ちょっと分類のしにくい小説。
 ヒロインの心理学者ジョアナは、総合病院で臨死体験の研究をしている。と言っても、彼女の目的は、死後の世界とか、あの世からのお迎えとか、天使とか天国とかは存在せず、臨死体験があくまで科学的に説明できる現象であるということを証明することだ。
 彼女は同僚の神経内科医リチャードとともに、この問題に取り組むのだが、リチャードが導入したのは、被験者に薬物を投与して人工的に臨死体験に似た症状を起こし、それを観察するという手法である。体験者の話に奇妙な類似点のあることに気付いたジョアナは、とうとう自らが被験者になって臨死体験を経験するのだが‥‥おっとっと、ここから先はネタバレだ。

 とりあえず、この導入部を聞いただけで、どう結末を付けるのかがすごく気になる。つまり、彼らが実験に成功して臨死体験を解明してしまえば、それはすなわち、死後の世界も天国も神様も存在しないと言うことになってしまい、キリスト教の根本原理をすべて否定することになってしまう。無神論者ならともかく、これはちょっとキリスト教国ではまずいんじゃないか?
 かといって、「やっぱり死後の世界はありました」というのでは、あまりに芸がない。とりわけ、彼ら二人の「敵」として登場する作家が、そういう宗教観の熱烈な信者で、ものすごくいやなやつに描かれているだけに、主人公が間違っていて、そっちが正しかったというのではお話にならない。
 まあ、先に言ってしまうと、この結論はうまくぼやかしたまま終わることで、ごまかしたけどね。それでもいちおう「お迎え」も来るし、それなりのハッピーエンディングになっている。え、ネタバレだって? いやいや、このラストはべつにおもしろいところじゃないからいいの。というか、この小説でいちばん納得いかないのがこのラストだし。
 ちなみにジョアナが発見した臨死体験の「真相」も、わりと当たり前すぎる感じの結論で、それほどおもしろくはない。おもしろいのはそこに至る過程である。

 だけど、それはネタバレなので、書くわけにはいかないというジレンマ(笑)。とりあえず、これを読むと、映画“Titanic”(できればオリジナルのほう)がまた見たくなるということだけは書いておいてもいいでしょう。とにかく次々、意外な新事実が出てきて、アクションなんかほとんどないにも関わらず、ローラーコースターのようにゆるみないスピードで展開する。
 しょうがないから、枝葉末節のいいところを書こう。だいたい、出来の悪いホラーやミステリを読んでてイライラするのは、目の前に大きな謎や異変がぶら下がっているのに、主人公はそれほど深く考えもせず、ボヤッとしていることである。その意味、この主人公のジョアナはその謎に文字通り食らいついて離れない。たびたびミスリードに出くわしながらも、つねに真相に向かって突進していく態度は立派。
 キャラクターもよく書けている。ヒロインとヒーローは、いかにも主人公らしく優等生でおもしろみがないが、脇役がいい。いまだに戦争中の思い出に生きている元海軍軍人(しかもその思い出というのが‥‥)とか、災害マニアの心臓病の少女とか。
 些細なことだが、ヒーローとヒロインの間に恋愛関係がないのもいい。若い美男美女という設定なので、当然すぐに恋に落ちるのかと思ったら、お互い惹かれる部分もないではないようなのだが、そこへ行く前に彼女が死んでしまう。
 そう、これもちょっとネタバレだが、話の途中でヒロインが死んでしまうと言うのも掟破りでびっくりさせるね。でも平気なの。なにしろ臨死体験の話だから、死なないと真相がわからないわけで(笑)。
 とりあえず、しみじみ読後感があったり、人生について深く考えさせられるようなタイプの小説ではないが、とにかくおもしろいという点で、娯楽小説としてはよく書けている。伏線の張り方も巧みだし。

 ところで、これを読んでて不思議と似ているような気がした、もっとおもしろい小説があるので、それも紹介しておこう。David Ambroseの“Superstition”(デヴィッド・アンブローズ 『覚醒するアダム』 角川文庫)という小説である。
 こちらのテーマは幽霊。これまた幽霊など存在しないということを証明しようとする科学者グループが、人工的に幽霊を作り出すことによって、逆に心霊現象は人間の心が生み出したトリックだということを証明しようとするのだ。どうやるのかというと、歴史的に実在しない(つまり幽霊になるはずがない)人間の詳細な伝記を作り上げ、降霊会でその幽霊を呼び出してしまうのだが、驚いたことに‥‥おっと、これもネタバレになるので書けないや。
 とりあえず、このアイディアは不気味なほど似てる。でもその後の展開はぜんぜん違うし、ラストも(SFファンにとっては)すごく納得のいく結末になってるけどね。

 どっちも映画の原作向きの小説だと思うが(“Superstition”は映画化の話がかなり具体的に進んでたはずだが、まだできてないな)、Ambroseという人は“Final Countdown”をはじめ、映画の脚本もけっこう書いてる人だ。
 彼は自作の“The Discrete Charm of Charlie Monk”(『迷宮の暗殺者』)を映画化するとしたら、Jude Lawに主役をやってもらいたいなんて言ってるが、Judeはきっといやがると思う。だってチンパンジーの役だから(笑)。そう、007も顔負けの、強くて賢くてハンサムでかっこいいシークレット・エージェントなんだけど、チンパンジーなの(笑)。どうしてこういう発想が生まれるかなー(笑)というぐらい、この作家は意表をついた奇想の作家である。“Charlie Monk”はちょっと無理がありすぎるが、“Superstition”は文句なくおもしろいのでおすすめ。ただ、この人の小説はしばしばアンハッピー・エンディングである。これもこの手の作家にはめずらしい。

2006年3月18日 土曜日

 昨日は春の嵐が吹き荒れる。「歩けないほどの強風」というのは、初めて経験しましたよ。(台風でも東京に来る台風なんてひ弱だから、俗に言う春一番のほうが危ない) 立ってられないほどじゃないけど、倒れないように踏ん張るのが精一杯で、一歩も前に踏み出せないのね。風は目に見えないので、他人事のように見ているぶんには、歩いている人が全員その場で凍り付いたみたいに止まっているのが、時間が止まったみたいで不思議だった。5キロぐらいの重さのあるショッピング・カートがふわりと宙に浮き、飛ばされないように必死に引っぱっていないとならないし。(普通は飛ぶはずのない重さの)路上のゴミ箱が風に吹かれてゴロゴロ転がっていくのもすごかった。こりゃあ、隠れるところがない場所で、犬猫ぐらいなら簡単に飛ばされちゃうな。
 そこはいつでもビル風が吹く場所で、風のない日でも突風が吹くようなところだったから、どこまで行けば強風地帯から抜けられるかはわかっているのに、その一歩が踏み出せない。結局、「だるまさんが転んだ」の要領で、風が弱まる瞬間に一歩ずつ前へ進んでどうにか抜け出したけど。
 「自然の猛威というのはすごいなあ。道理で、強風で電車が脱線したりするわけだ」と感心しながら駅へ着くと、東西線が止まってた。うっひゃあ、東西線は川を渡るとき、鉄橋の下から突風が吹き上がるので、風が強いとすぐ止まるのを忘れてた。結局バスに乗ってJRの駅まで行きましたけどね。しかし、天候に影響を受けないのが地下鉄のいいところなのに、風が吹くたびに止まるというのは計算に入ってなかった。

たまにはコレクションの話

 と言っても、ご存じのように私はもうほとんどレコード・コレクターは廃業している。いや、情熱が薄れたわけではまったくないのだが、なんと言っても先立つものがなくては話にならない。今では本当に好きなバンドだけ、あとは「趣味と実益を兼ねて」集めてるだけ。
 それでは最近、自分用に買ったものの一部をご紹介。ずいぶん前に買ったものも入ってるし、レアってものはないけれど。

Starsailor / On The OutsideのLP、プロモ・カセット、This TimeのCD、7”、DVDその他すべて

 Starsailorは現在、重点コレクションの対象なので、一通り手に入るものはなんでも買ってる。でも、日本じゃわりと人気がなく、すぐに安売りに出されるので、いかにして安く買うかがポイント。LPはHMVで3600円もしていたが、在庫が多すぎるのを見て、セールに出るのを辛抱強く待っていた。そしたら半額以下の1500円で買えてラッキー!
 イギリスでは最近、シングルCDを2枚セットで出すというアホらしい悪習がすたれてきたようだが、その代わりなのか、7”とか12”とかDVDシングルとか、多種多様なフォーマットで出すのは勘弁してほしい。いや、コレクター的にはいろんな種類があるのはうれしいのだが、並べたときの統一感ってものがなく、シングルごとに出るものがバラバラなんだもん。
 ところで、Starsailorは今回は来日しないのかなー。あのライブが私はどうしてもまた見たいのだが。

UNKLE Sounds / Edit Music For A Film Director's Cut

 これはたぶん、前に買ったEdit Music For A Filmの限定盤。DVDのトールケースに入って、ポスターが付いているほかは、オリジナルと同じだと思う。しかし、このアルバム自体が非正規盤なのに、その限定盤まで出すあたりが、いかにもUNKLE。これのプロモがまた何種類もあるようだが、UNKLEはeBayでも高いので半ばあきらめムード。
 でもこれほどすばらしいアルバムは、入れ物だけが違おうとも集めずにはいられない。ちなみにタイトルにふさわしく、ジャケットはGeorge Lucasの“THX1138”のパクりだ。(1枚余分に買ったので、お店に出します)
 ところで、James Lavelleは今月来日する。(もう来ちゃったか?) 普通なら、飛んでいくところだが、真夜中に開演のクラブ・ギグってことで、腰が引けてしまった。体力的にもう付いていけない、というのならまだ言い訳は成り立つのだが、実際のところ、私は朝まで起きてることなんかめずらしくないし、単に、この年で、若い人に交じって、クラブでひとりきりで朝まで過ごすというのに抵抗を感じたため。日本にはUNKLE友達いないしなあ。これが外国ならひとりでも平気だし、何も遠慮はしないのだが、なぜかこういうときだけ「分別あるオトナ」になってしまう自分が情けない。

DJ Shadow / Midnight in a Perfect World CD single, Dark Days CD single

 ひと頃、日本じゃバカみたいな値段が付いていたDJ Shadowも、だんだん値段が落ち着いてきたので1枚ずつ買ってる。というか、CDシングルは日本じゃめずらしいので見つけただけすべて買ってるけど。

Richard Ashcroft / Keys To The World limited edition CD/DVD あとシングルいろいろ

 何を隠そう、私はThe Verveのデビュー時にビデオを一目見て、「この人は超大物になる」と断言した人である。と言うと偉そうだが、実は単にルックスに一目惚れしただけ(笑)。
 というのも、Richardは私の考える「正しいロックスターのあるべき姿」そのものだったのだ。私ぐらい長年ロックを聴いていると、私なりの「あるべき姿」ができてしまってるのよね。つまり、

  1. 長身痩躯。単に背が高くてすらっとしているだけでは、ただの「かっこいい人」になってしまう。長すぎる手足をもてあますような様子がマル。
  2. 生まれてから一度も陽に当たったことがないことが確実な青白い肌。イギリス人ならたいていそうだから問題ない。
  3. キリンのような長い首。
  4. 射るような鋭い眼光。実は大きくつぶらなけっこうかわいい目なんだけどね。あの眼光はすごいよね。
  5. カミソリのように鋭い頬骨。
  6. タラコ唇。特にタラコが好きというわけではないが、つまり、一般的なハンサムではいけないということ。ハンサムなんだけど、整ったハンサムじゃなく、どこか一か所ハッとさせるような魁偉な容貌が望ましい。もっとも、タラコ唇と言えば、Mick Jagger、Ian McCulloch、Tim Burgess、Mark Gardenerと、すぐにずらずら名前が挙がるぐらいだから、やっぱりタラコが好きなのかも。ここでMick Jaggerの名前が出てきたことを意外に思う人もいるかもしれないけど、今の人は若いころのMickがどれだけ危険なほどセクシーだったか知るまい。しかも彼には知性があった。そこが同じタラコでもStephen Tylerとの違い。
  7. というわけで、見かけは不良っぽくても実は知的な紳士というのもポイント。
  8. 世の中のすべてに退屈しきったような、怠惰で投げやりな雰囲気。もちろんめったなことで笑ってはいけない。
  9. 歩くときは肩で風を切って、通行人を突き飛ばしながら大またでのし歩く(うそ。笑)。
  10. イギリス人で、どこからどう見てもイギリス人という顔をしていること(笑)――まあ、多少作りが違うだけで、Noel GallagherもIan Brownもおんなじ顔だもんね。

 というわけで、一目惚れだったのだが、おまけに作る音楽もいい(笑)というので、ずっと気にしている人である。バンドを解散してソロになるとつまんなくなるという、ありがちな罠を免れたというだけでもたいしたものだ。
 ただ、ソロになって(派手なルックスにもかかわらず元からそうだが)ますます地味かつ渋めのアーティストになってきているようで、そこだけが気がかりだった。それで、この新譜も、最初は「あー、やっぱりだめだ。私には渋すぎる!」と投げ出しそうになったのだが、じっくり聴くとやっぱりいいわ。
 少なくともタイトル曲は感激だし、“Cry Til The Morning”も泣かせる。まだそんなに何回も聴いてないので、今言えるのはこれぐらいだけど。

 ちなみにこの手の男がいいのは、年をとってもまったく変わらないところである。Mick Jaggerだって、水気はすべて抜けたが、基本的に変わってないし。(それを言ったらStephen Tylerだってそうだが) というわけで、おまけのDVDには期待していた。でもちょっと残念だったのは、ライブが中心で、プロモビデオは1曲だけだったこと。ライブもいいけど、こういう男はやっぱりプロモで見たいよね。早くソロのプロモ集DVDが出ないかな。しかし、本当にいい男! 写真でもビデオでも、何もしてないのにこれだけ決まる人もめずらしい。
 とりあえず、これだけルックスが好みの人は、まだ当分追いかけるつもり。

The Jesus And Mary Chain / Videos 1985 to 1989 (DVD), TV Compilations '85-'90 (bootleg DVD), April Skies (bootleg CD)

 私も数多くのバンドに惚れてきたが、中でも特別な別格扱いというのがいて、ご存じのように90年代はMansunがそうだったが、80年代のそれに当たるのがこのMary Chainである。いちおう「表の本命」は80年代はNew OrderとDepeche Mode、90年代はManicsとSuedeなのだが、Mary ChainとMansunはそれとは比較にならないほど惚れに惚れ抜いたバンドである。この場合、音楽に惚れてるのはもちろんのことだが、それ以外の下心の部分がかなり入ってるのも同じ。とにかく人間に惚れてしまって。
 と言うと、上のRichard Ashcroftと同じようだが、そこには大きな違いがある。つまりそれぞれのフロントマンだったJim ReidとPaul Draperは、ぜんぜん私の好みのタイプの男じゃないのだ! たとえば、上の流儀でJim Reidを形容すると、

  1. チビで短足。
  2. 太ってはいないにも関わらず、なんかムチムチとした幼児体型。
  3. いい年こいて(20代半ば)、小さい子供のようなあどけない童顔。
  4. 女の子みたいに愛らしい、天使のような顔だち。
  5. 歩くときも、幼児のようにヨチヨチと内またで歩く。
  6. という外見に似合わず、底なしに暗くいじけた性格とビッグ・マウス。
  7. いちおう格好はつけてみせるのだが、ぜんぜん決まらない。

 と書いてくれば、(Mansunファンなら)「Paulとそっくり!」と叫ぶだろう。そう、Richardのことを書いてて初めて気付いたのだが(もしかして前にも書いてるかも)、顔はまったく似てないにもかかわらず、雰囲気がそっくりなのだ。あー、Paulにあれだけのめり込んだのも、Jimのことがあったからかも。(ちなみにMary Chainは兄弟バンドだが、兄のWilliamもまったく同じである)
 断っておくが、私の好みはRichardみたいなのであって、こういう人たちは本来ぜんぜんタイプじゃないのである。なのに、惚れた弱みってやつですね。
 しかし、同じイギリス人でどうしてここまで違うかね? Reid兄弟はスコットランド人だし、Paulはウェールズの近くの生まれなので、やっぱりこれはケルト人の血か? そういや、Manicsも童顔でコロコロしてるが(笑)。(もちろんNickyだけ違うから一概には言えないんだが)

 というわけで、もう原則ブートレッグは買わないことにしている私も、Reid兄弟が見られるならなんでも買ってしまう。と言っても、これ、すでにビデオカセットなら持っているので、何も新しい発見はないのだが。それに私は断じてブートビデオなんかに3000円も4000円も払う気はしない。これも1500円だったのでまあいいかと。あー、でもかわいー!! 
 ついでにオフィシャルのほうのビデオもすでにLDで持っていたのだが、売ってしまったのでやむなく買った。(それも廉価版) このMary Chain唯一のオフィシャル・ビデオは、最初はVHSで買って、それからLDを2枚買ったのだが、そのすべて、欲しいという人がいるので売ってしまった。成り行きでコレクターになってしまったMansunはともかく、こういう人たちは私は見られさえすればそれで満足なので、コレクションにはこだわっていない。それにしても、今さら日本盤LDとかほしがるコレクターがいるってことは、まだMary Chainも愛されてるんだなー。
 Mansunもそうだが、Mary Chainで不満なのはオフィシャル・ライブが出ていないこと。この人たちも、ライブが嘘のようにいいバンドだったのに! あれがもう二度と見られないと思っただけで涙がこぼれる。このブートのテレビ出演の映像なんか、イギリスにはマスターがちゃんと残ってるのに、なんでオフィシャルで出してくれないの? Mary Chainは(一時は)Mansunなんか目じゃないほどメジャーだったバンド(で、なおかつカルト・バンド)なので、いつかまた再評価ブームが巻き起こってくれる日を私は夢見ているのだが。

 まだまだ続くが今日はこれでおしまい。

2006年3月20日 月曜日

最近の買い物 続き
New Order / Singles(国内初回盤), Krafty(プロモ), Krafty Mixes(プロモ), Jetstream(プロモ), Regret(米盤プロモ), The Peel Sessions(オランダ盤)

 New Orderこそ、あまりに数が多すぎて、とっくにコレクションはあきらめてるんだけど、それでも好きなのでつい買ってしまう。New Orderなら売れるというもくろみもあるけど。
 “Singles”の国内初回盤は、おまけのステッカーがいっぱいついてステキだからほしかった。でも定価が3480円もするので、安いのが見つかるのを待っていた。未開封で2400円。ベスト盤なんか聴く必要はないので、未開封のまま持っていたいが、でもステッカーがどんなのか見たいというジレンマ(笑)。これはいったんお店に出して様子を見よう。
 プロモ集めは最近わりと控えている。買うときは高いうえにプロモは売れないということがよくわかったので。やっぱりプロモまですべて集めるというのは、かなりのコレクターだけなのかねー。New Orderクラスになると、各国盤プロモまで集めていったら天文学的な数になっちゃうという理由もある。
 それでもプロモ・オンリーの“Krafty Mixes”はほしかった。それならデザインがこれと対になってる“Krafty”のプロモも。ついでに“Jetstream”もというわけで。“Krafty Mixes”は日本でも見つけたが、不細工な日本語のステッカーが貼ってあるうえ、1800円もしたので買わなかった。eBayで3枚合わせて、たぶんそれと同じぐらいの値段。プロモは出た当初は高いが、1年もすると値段がかなり下がるので、それを待って買った。もっとも、プロモは原則、リリース当初しか出回らないので、下手すると買い逃す恐れもあるのだが、そこはコレクターの勘。
 “The Peel Sessions”は、すでに持ってるStrange Fruit盤のダッチ・バージョンというだけ。でもジャケットも違うし‥‥というわけで、やっぱりNew Orderに関してはコレクター根性が抜けてない。

V.A. / Pop Renaissance

 これはExcellent Recordsの3枚組コンピレーション。RockShopはつぶれてしまったが、Excellentは健在でいまだに新譜を出し続けているのはうれしいかぎりである。しかし、ここまでマイナー・アーティストばかりじゃ商売になるのかな?という気がするが、それでも海外にもちゃんとファンはいるんですね。それを知ったのはお客さん(Lotus Eatersつながり)としゃべっているときで、彼がExcellentをほめたたえ、East Villageというバンドはいいからぜひ聴くべきだと教えてくれたので、サンプラーのつもりで買った。
 当然ながら得意のネオアコ/ギターポップ系のインディー・バンドばかりのコンピレーションだが、全63バンド中、私が知ってるのはMark GardenerとMarc Carrollのみ! というだけでも、どれだけマイナーな(よく言えばマニアックな)セレクションか想像がつくと思う。以前から言っているように、ここはズバリ私のジャンルなので、知られざる埋もれた才能がいっぱい見つかるのではと、ワクワクしながら聴き始めたのだが‥‥

 バンドに関する私の「格言」のひとつに、「無名バンドには、無名でいるだけの理由がある」というものがある。つまり、なんであれ、ほんのわずかでも見所のあるバンドならば、たとえ宣伝なんかなしでも、必ずいつか誰かに見出されると思うんだよね。よって、無名なままのバンドは、ほんとに何もいいところなし、という可能性が非常に高く、「当たり」の確率はきわめて低い。
 もちろん、たまたまそれが私のアンテナにかからなかっただけで、実は知られざる天才ということもあるし、たとえ他の人が誰もいいと思わなくても、私にはすばらしいと思えるバンドだっているかもしれないから、こうやってときどきサルベージをしなきゃならないわけだ。それに「私だけが知っている」という快感はけっこうこたえられないものがあるので、私は実は「無名バンド・コレクター」でもある。
 まして今はどっちかというとそれで生活しているし(笑)。そう、うちみたいな無名ショップは、そういう「誰も知らないのでどこにも売ってない」バンドが隠れたドル箱なのだ。それはExcellentさんも同じみたいだけど(笑)。(うちなんかと比較してすみません) そのExcellentが選んだバンドなんだから、きっと‥‥と思ったのだが‥‥

 ズバリ言って、これ63曲聴き通す根性は私にはないですね。ネオアコ/ギターポップ(あとパワーポップとかも入ってるようだが、私には違いがわからんす)だけをキーワードに集めてあるのだが、要するに「ほのぼの青春歌謡路線」。なんかほんわかしたのんきな歌ばかりがえんえん続き、途中で、「おまえら、そんなにホニャラカしてていいのかよ!」と、わけもなく怒り出しそうになる(笑)。
 やっぱり私はアクースティックでもポップでも、ヒリヒリするような緊張感のあるのでないとダメだ。ネオアコで好きなのはLotus EatersとEyeless In Gazaだけというのも、そもそも本道から外れてるし(Gazaはネオアコですらないし)。

 これだけの音源を集めてコンピを作り、これだけ詳細な解説付けたのはえらいと思うけど。と言いながら、そのブックレットを見ていて、意外とイギリスのバンドが少ないのに気付いた。とにかく世界各国、日本はもちろん、ロシアのバンドまで入ってる。そこでイギリスものだけ取り出して聴いてみると、少なくとも聴いてて不快にはならない。少なくともプロって感じがするし。なーんだ、そういうことか。だったら3枚組になんかしないで、国別に分けて出してよ! イギリスと、アメリカ、その他って感じにして。それならけっこう愛聴盤になったかもしれないのに。

 おっと、問題のEast Villageだけど、これはこの中ではかなり渋めの感じ。悪くもないけど、Lotus Eatersみたいに解散後、何十年とたっても忘れられないバンドにはなりそうもない。

V.A. / The Best of Mark Goodier Radio1 Sessions

 というわけで、イギリスならなんでもいいのかというと、いいのである。その証明がたとえばこれ。Radio1のセッション・コンピで、中古で100円だから買っただけだけど。(Excellentのコンピは定価4000円もした。もちろん私はもっと安く買ったけど)
 90年代初頭の、中堅英国インディーばかりのコンピレーションで、この時代は私の考えではけっこう黄金時代だった。さすがにこちらのバンドはほとんど知ってるが、CharlatansやFarmやJesus Jonesはともかく、(それすらもう知らない人が多いか?)、Paris Angelsや、Spirea Xや、Linden Treeになると、知らない人のほうが多いでしょう。それでそれが全部、全曲いいんだな。個人的に熱烈ファンのEMFや、Fatima Mansionsや、Chapterhouseも入ってるし、妙に忘れられないMilltown BrothersやBirdlandやBanderasも入ってるし。Real PeopleやDylansやCUDも、当時は二流と思ってたけど、今聴くとけっこういいじゃん。それでこれらはうちの店で未だにけっこう売れるバンドだったりする(笑)。

Trashcan Sinatras / I've Seen Everything(国内盤), Fez

 続いてもネオアコ、というか、Trashcan Sinatrasは時代的にあとすぎるので、私はネオアコとは呼ばないんだけど、音的にはあれのれっきとした後継者。出身もスコットランドだし。これも私の無名バンド・コレクションのひとつなのだが、なぜか日本では一部で絶大な人気があり、中古価格がバカ高いので、なかなかコレクションが揃わずにいる。
 特に“I've Seen Everything”はつい先日、帯付きで7500円という値段を付けている店を見た。ジョーダンでしょう! うちは外人相手というせいもあり、国内レア盤はかなり高い値段を付けてるけど、それにしたって、できるだけ3000円台に収めるようにしている。93年のCDにそんな値段付けるなんて私にはできない!(だから儲からないのか?) 私の買値は、えーと、確か1500円ぐらい。
 一方の“Fez”はアクースティック・ライブ。向こうじゃ超無名なくせに、なんかいろいろ出るのも、コレクター人気が高いせいか。Trashcan Sinatrasは何度も来日しているのだが、私は一度も行っていないのは、アクースティックのライブは退屈するという恐れがあるからなのだが、なかなかいいわ。これものんきでほのぼのしてるけど、なんか好き。途中で眠くなるのも確かだけど(笑)。 

Keane / Hopes and Fears (中国盤ブートレッグ)

 これは香港のJeffreyからのプレゼント。「こういうものを見つけたんだけど、いるか?」と訊かれたので、「Keaneはべつにコレクションしてるわけじゃないから、ブートレッグまではいらない」と答えたのだけど、買って送ってくれた。彼はTangerine Dream(ドイツのプログレ・バンド)のコレクターなのだが、なぜか最近のバンドではKeaneが好きなのだ。自分が好きだと、いらないと言われてもあげたくなる気持ちはわかるけどね(笑)。
 しかし、中国の海賊盤というのはいつ見ても笑える。封をしてある外側だけはやたらめったら立派なんだよね。ラップだけでは足りないというように、封緘紙みたいなのがベタベタ貼ってあって、金や銀のステッカーも貼ってあって。ところが、中を開けると、思い切りしょぼい(笑)。写真はピンぼけだし、ブックレットはコピーじゃなくオリジナルなのはいいが、なんかデザインヘボいし、紙も印刷も粗悪だし、英語は誤植だらけだし。おまけに厚紙のカバーは、斜めに無理やりケースに押し込んであるので、シワシワになってしまっている。
 これは海賊盤によるある2枚組で、おそらくCD2はB面集だろうと思ったものだから、Keaneのシングルはほとんど持っていない私は、喜んでCD2から先にかけた。ところが! これ、KeaneじゃなくてColdplayじゃない! なぜかCD2には“X&Y”がまるまる入っているのだ。それでもラベルにはKeaneと書いてあって、Coldplayの名前はどこにもない。いい加減だなー(笑)。

 しかし、Keaneは集めるつもりもないのに、このアルバムだけで、各国盤だの限定盤だの取りそろえて、もう9枚も持っている! そのくせシングルはぜんぜん集めてないのが痛い。なぜかKeaneのシングルはレアで、eBayでもバカ高いし、日本じゃぜんぜん売ってないんだよね。初期シングルはもうとても手が出ない値段になってしまっているからあきらめるとしても、それ以外はほしいのに。
 実は、一時、タワー・レコードにごっそり入っているのを見たのだが、「日本にこれだけ入ってるなら、どうせすぐに中古で安く出るだろう」と思って買わなかったのだ。なのに、特殊ジャケのCD2なんかまったくどこにもない。eBayにすらめったに出ない。どうなってるんだ?
 Keaneのシングル集めを控えてたのは、デビュー当時はまだ「通俗ポップバンド」かと思って下に見ていたせいもある。これまたそういうバンドのシングルは200円ぐらいでどんどん中古に流れることが多いから、タワーで1000円以上も出す気がしなかったのだ。なのに、これだけ売れたバンドでこれだけシングルの入手がむずかしいというのは、私も初めてのケースでとまどっている。おまけに「これは値が出るかも」と密かに期待していたDVD付き日本限定盤なんか、どの店でも在庫があふれて叩き売られてるし。
 とりあえず同じアルバム9枚もいらないから(笑)シングルがほしいのに‥‥

 ついでにColdplayも久々に聴いたのだが、やっぱりこれもいいわー。そういや、Coldplayはアルバム・リビューすら書いてないんだ。前の日記を読むと、いつもStarsailorと比較してけなしてばかりで悪いことをした。いや、私のColdplayの評価はすごく高いんですよ。それでもあえて難点を言わせてもらえば、第一にボーカルが弱い。寝ぼけたような声で魅力がない。第二に、サウンドにもはっとさせるようなインパクトがないってことかな。たまたまStarsailorはその両方を合わせ持ってるので。おっと、また言ってしまった。
 ColdplayのCDシングルは、初期のころからわりと意識して集めていたので、揃ってはいないがけっこう持ってる。でもやっぱりビニール盤は買っておくべきだったか、なんて今ごろ後悔しても遅いのに。(傷みやすいビニールは新品でしかほしくないんだよね)

2006年3月22日 水曜日

まだまだ続くディスク・リビュー
Wolfman / For Lovers

 Rough Tradeから出たシングルで、Wolfmanというのは人の名前なのかバンド名なのかも知らないが、featuring Peter Dohertyと書いてあったので買った。はい、Libertinesは大好きです。コレクションのほうは、まだ初期のころ、レア盤がものすごく高いのに驚いてあきらめちゃったけど、いちおう国内で手に入るものはすべて集めている。
 で、やっぱりパンクっぽいものを予想して買ったのだが、曲はしっとりしたバラードだった。歌はもちろんPeteで、ビデオもPete以外出てこないので、ファンにはおすすめ。曲はまあ普通だが、彼の枯れた声はこういう曲を歌ってもすてき。Peteがロンドンの町をさまようビデオも、英国ファンには心なごむものだが、私が気に入ってるのは彼の服(笑)。スーツにタイ、コート、スカーフと、絵に描いたような英国ファッション。これがまた決まってるんだ。背が高くてスタイルいいし、気に入らないのは丸顔の童顔だけなんだが。

New Order / Item (2DVD set)

 New OrderはまだDVDがあったのを忘れてた。6000円以上もして高いと思ったけど、それでも2本分だからと思って、中古をさらに20%引きで買った。私は日本語字幕なんかいらないので輸入盤でいいのだが、DVDはリージョンがあってテレビで見れないのがくやしい。(字幕なしでも全部わかると言ってるんじゃありませんよ。「英語なんざ、わかんなくてもいいんだ」という悟りに達するまで、私はうん十年かかりました)
 これは昔出たテレビ・ドキュメンタリー“New Order Story”と、プロモ・ビデオ集“A Collection”のセットだが、私は例によって両方ともレーザー・ディスクで持っている。もっともLDのビデオ集は確か“Technique”までだから、その後のビデオは初めて見るものもある。
 まあ、New Orderのビデオはだいたいにおいてつまらないので(笑)、特に書くことはあまりない。いつも思うんだが、曲よりつまんないビデオを作っちゃいけないよな。ミュージック・ビデオなんて、みんなそんなもんと割り切ればいいのだが、好きなバンドだとつい期待してしまって、そのたびに「くっだらねー!」、「意味ねー!」と怒ってばかりいる。そんなビデオを作るぐらいなら、単にバンドが演奏するのを映してくれるほうがよっぽどいい。
 とりあえず、見る価値があるのは、“True Faith”と“World”だけ。“True Faith”はミュージック・ビデオ史上に残る金字塔のひとつで、私が歴代ビデオ・ベスト10を選ぶとしたら、必ず入る1本。ああ、そういうベスト10作ってみたいね。問題は、私が記憶力なし人間で、30年前のビデオなんて覚えてない(笑)のと、記録として残ってないのが、あまりにも多すぎるから。
 “True Faith”は「なんだー、こりゃー!」と笑わせておいて、あとからよく考えるとじわーと怖い感じがしてくるという、New Orderそのものみたいなビデオ。“World”はスタイリッシュな映像がすごく好きなだけ。あと、このビデオ集のカバーになっている“Ceremony”のBeijingバージョンも映像はすごくきれい。ただ、こっちはきれいなだけで、何も意味が感じられないな。
 そもそも音楽ビデオなんてものは、ファンはバンドが見たいから買うのである。なのに、メンバーが出演しないビデオが多いのも気に入らない。もっとも、見られればいいってもんでもなくて、えんえんと(何も見立てのない)メンバーのアップだけを15分映し出す“The Perfect Kiss”は私でもけっこうつらいけど(笑)。
 ストーリー性のある曲に、あえてそれとはまったく無関係な映像を付けるというのも、ひとつの手法である。だけど、“1963”はビデオがないほうが千倍すばらしい。だいたいこういうパントマイムみたいなのきらいだし。
 ちなみに“New Order Story”のほうは、昔見たけど、どうでもいいような番組だったという記憶しか残ってない。それでもなんでも、ファンだから買いますけどね。

 などと、文句を言いながら、結局“A Collection”は全部見てしまったが、New Order25年の歴史を一気に駆け抜けるというのは、なかなか感無量である。とりわけつくづく感じるのは、最近のアルバムはNew Orderが輝いていたころの曲にくらべると、なんてつまんないんだろうということ。あー、ますます身も蓋もないことを書いてしまった(笑)。それでもなお、並みのバンドよりはるかにいいから買ってますけどね。Barneyはなんであんなにのんきな明るい歌ばっかり歌うかね? 昔のNew Orderの、血がじくじく出てる生傷に塩をすり込むみたいな歌がなつかしい。(すげー形容! でもズバリだと思う)

P.S. このセットには“Item”という、いかにもNew Orderらしい、意味ありげなワンワード・タイトルが付いてるのに、邦題ではそれを『ベスト&ストーリー』という散文的なタイトルに変えてしまうセンス! 私が決して邦題を使わないのはそのせいだ。ちなみにNew Orderのアルバムで、いいものはすべてワンワード。(“Low Life”がもれちゃうんだけど)
P.P.S. New Orderコレクションで頭が痛いのは、今度出た8枚の12インチ。ただの再発リミックスに8000円なんて出せないよー! ジャケットがすばらしく良くて、コレクター心を刺激するとかいうんならともかく、ただの色違いだし。重いビニールは海外から買ってもやはり1枚1000円はするので、しかたがないのでこれはセール品になるのを待つか、中古を1枚ずつ揃えるつもり。でも8枚をそれで揃えるのは至難の技で、頭が痛い。
P.P.P.S. ちなみに、手を替え品を替えて出る再発CDは、もうとっくに集めるのをやめている。帯だけの違いなんか誰が買うか!

2006年3月25日 土曜日

まだまだ続くコレクター日記
Suede - New Generation / We Are The Pigs (US promo)

 アメリカ盤プロモで、アルバム“Dog Man Star”のサンプラー。アルバムと同じジャケットが付いている。Suedeコレクションはまだやめたわけじゃないですよ。特にいちばん好きなこのアルバムの、あのジャケットの付いたものは、つい手が出てしまう。

Manic Street Preachers - Public Enemy (bootleg CD)

 ブートレッグは嫌いと言いながら、重点アーティストの、それもCD-Rじゃないブートだけは、安く見つけたときに集めている。どうやら日本ではCDブートはなくなりそうなので。

UNKLE - Psyence Fiction limited edition French 2CD

 UNKLEもまだあった。このアルバムのフランス盤はすでに持ってるが、これはその限定盤(たぶん)。アルバムと同デザインの紙ケースに入ったボーナス・ディスク付きで、それとCDが立派なスリップケースに入っている。“Psyence Fiction”はこれだけ長年集め続けているのに、まだこれだけ変わったバージョンがあるなんて。
 これで“Psyence Fiction”だけで(プロモを含め)17種類集めたことになる。Mansunの“Six”ですら16種類しか持ってないんだから、私のUNKLEコレクションはすでにMansunコレクションを超えたかも。

Steve Jansen & Richard Barbieri - Stories Across Borders, The Dolphine Brothers - Catch The Fall, Richard Barbieri / Tim Bowness - Flame

 これは私の過去からの人々のCD。Japanの残党、それもJansen / Barbieri関係のアルバムである。いずれも90年代初めの作品。
 なんで今ごろこんなのを買ってるかというとわけがある。私は気性が激しいので(笑)、好きなバンドが解散すると、カッとなって、「あんたなんかもう知らない! 勝手にしなさい!」とそっぽを向いてしまう癖がある。これは男と別れるときにも言えるような気が‥‥
 それはともかく、こうなるのは実は思い出すのもつらいからで、そのバンドのレコードもすべて「封印」してしまうし、解散後のメンバーの動向を追いかけたりもしないので、誰がどうしているのかも知らないまま、ついそのまま疎遠になって忘れてしまったりする。(これも男にも言えるような‥‥)
 Japanがまさにそうだった。いや、正確には、どうにもあきらめきれなくて、David Sylvianの初ソロだけは買ったのだが、それがあまりにつまらなかったので、そこで引導を渡してしまったのだ。それぐらいJapanの解散はショックだった。“Tin Drum”でやっと「まともなバンド」と認められて、本国での評価もうなぎ登り、日本でのラスト・ライブも最高(ついでにルックスもこの時がピークだった)という矢先だっただけによけい。
 それでも彼らのソロ・ワークは、折に触れてちょこっと聴いてみたりもしたのだが、かえって古傷に触れるばかりで、やっぱりだめだった。でもこの3枚のCD、お店用に買ったのだが、聴いているうちに、「やっぱりダメ! おまえたちは手放せないよ!(ひしとCDを抱きしめる)」というわけで、売るのはやめにした。まあ言ってみれば、その傷が癒えるのに25年かかったとも言えるな。
 簡単にまとめてしまうと、オール・インストゥルメンタルの“Stories Across Borders”は、Japanの面影を残すアンビエント・ミュージック、Dolphine Brothersは弟のSteveがすべての曲で歌うが、彼の声と唱法がお兄さんそっくりであるにもかかわらず、ポップで明るいので、Japan meets Scritti Polittiという感じ、キーボードのRichardがNo-ManのTim Bownessと組んだ最後のやつは、No-Manそのもの。
 個人的にはDolphine Brothersが捨てがたい。ポップ万歳で、Japanのというか、Davidのあの抹香臭さがけっこうつらかった私としては(笑)。ただ、あまりに似すぎていて(それでもちろんDavidほどは声も歌も良くないので)、どうも「まがいもの」という気がしてしまうのが問題。
 No-Manも不思議なバンドだよねえ。このバンドは中古レコード屋の300円均一コーナー(シングルは100円)の常連で、私の「無名バンド・コレクション」のひとつなのだが、それでも1枚だけ出た日本盤シングルなんか、「いくらでも出すから売ってくれ」と海外から迫られるほど、いまだに熱心なファンがいる。っていうか、まだ現役だったか(笑)。

 しかしMansunだけは解散しても見捨てなかったのは、それほど惚れてなかったというより、引くに引けないところまで来てしまっていたから(笑)。Paulはまだ生きていて、日記とか送りつけてきやがります(笑)。読みたい人はこちらから登録できます。

Kubb - Mother (album), Somebody Else (single)

 たまには新しいバンドの話も(笑)。KubbはHarry Collierというシンガーを中心にしたイギリスの新人。例によってお客様に教えられて知った。美メロに甘く優しい気息音ボーカルという好みのパターンもさることながら、“Wicked Soul”という曲に一耳惚れして。ビデオとオーディオのサンプラーはここで視聴できます。
 なんかいかにもどっかで聴いたような曲ですみませんね。でも私にはどうにも抵抗できないタイプのメロディってあるんだよね。オフィシャル・サイトにあるクリップはサビの部分だけだけど、そうじゃないヴァース部分がいいんだ。なんかやけにKeaneに似ている“Remain”もいい曲だと思ったし。
 それで日本で買うと高いので、イギリスから取り寄せたわけだが、アルバム全体を聴いてみると、うーん‥‥。同じような無名バンド(笑)ではお気に入りのRain Bandにも似てるけど、しっかり世界を確立しているRain Band(すでに解散しちゃったから「いた」と言うべきか)とくらべると、こっちはスロー・バラードもハードめの曲も、いかにも公式通りって感じで驚きに欠けるな。淡々としすぎて、何がやりたいのかもよくわからないし。Keaneに似すぎてるのも、あっちのほうが格段に出来がいいだけに損している。それでもやっぱり“Wicked Soul”はたまらなく好きなんだけど。でもこれ絶対なんかのパクりだよね。どうしても「原曲」が思い出せないんだけど。
 とか文句を言いつつも、限定とうたったデビュー・シングルは買いましたけどね。いつKeaneみたいに人気が出ないとも限らないから(笑)。

Swervedriver - Wrong Treats, Space Travel, Rock 'n' Roll, Sandblasted

 Swervedriverのいずれも英国盤シングル3枚。特にCreation移籍以前の2枚(ファースト・シングルとセカンド)はかなりレアだと思うのだが、もう誰もSwervedriverなんて覚えていない(苦笑)。「Shoegazer再評価運動」は細々とまだ続けていて、こつこつとシングルを集めてます。イギリスから買えば(高いけど)簡単なのだが、そこはまあ、100円シングルの山の中から捜すのが楽しくて。
 ところでSwervedriverってまだ現役だったんですね。驚き!

Electronic - Twisted Tenderness (UK promo)

 実はNew Orderより好きな(ギターがNew Orderよりいいから)Electronicのこの傑作アルバムは、つまんない無地ジャケットのプロモであろうとも集めている。そういや、Johnny Marrってその後どうしてるの?

Coldplay - Talk CD1, CD2, CD3, Japanese single

 というわけで、ColdplayはせめてCDシングルぐらい集めなくちゃと言って買ってきたのがこれ。しかし、英国盤は3枚セットでなんか出すなー! おかげでこの4枚で5000円近く払った。くやしいが、3枚セットはそのうち1枚だけどうしても見つからないなんてこともあるので。
 最近の英国盤シングルは「これに2ポンド以上払っちゃダメ」なんていうステッカーが貼ってあるのに、それを1000円以上で売る日本のショップもいい根性だ。それでも日本で買うのは、(ポンドが高いせいもあり)送料を入れるとほとんど同じになってしまうので、新品のはずなのに傷だらけの輸入品を買うよりいいから。

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